キッチンカーの開業は、「何を・どこで売るかを決める」→「キッチンカーを手に入れる」→「資格と許可を取る」→「出店場所を確保する」の4ステップで進みます。費用の目安は300万〜500万円、ご相談から初出店までは最短2〜3ヶ月です。
ただし、開業できることと、続けられることは別の話です。キッチンカーの窓口には、「うまくいかなかったのでキッチンカーを売りたい」という問い合わせが全国から毎日のように届きます。理由のほとんどは「出店場所が確保できず、売上が作れなかった」こと。味や腕の問題ではありません。
このページでは、唐揚げのキッチンカーで平均月商250万円を達成し、現在は登録4,000台以上のキッチンカーを全国へ手配している代表・池田の経験と、手配の現場に毎日集まる数字をもとに、開業の手順から利益を出し続けるための考え方までをまとめました。

監修:池田 拓矢(株式会社キッチンカーの窓口 代表取締役社長)
2015年からキッチンカーで唐揚げを販売し、全国で営業。平均月商250万円、繁忙期は月商500万円を超えた。キッチンカー業界歴12年以上。現在は、キッチンカーの製作、登録4,000台以上のキッチンカーの出店手配(1日100箇所以上)、開業後の経営コンサルティングを行う(2026年10月時点)。YouTube「キッチンカー開業チャンネル」で開業のノウハウを発信。 代表あいさつ
キッチンカー開業の流れは?初出店までの4ステップ
開業までの流れは次の4ステップです。順番を理解しないまま動くと、初出店まで半年以上かかることもあります。
| ステップ | やること | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 1. コンセプトを決める | 何を、誰に、イベントとランチのどちらで売るか | 2〜4週間 |
| 2. キッチンカーを手に入れる | 製作・中古購入・レンタル。ローンや融資の審査も | 製作は約1〜3ヶ月(車の持ち込みなら最短2週間) |
| 3. 資格と許可を取る | 食品衛生責任者、保健所の営業許可、保険 | 講習1日、許可の審査は数時間 |
| 4. 出店場所を確保する | 手配会社への登録、イベントへの応募 | 応募から出店まで約1〜2ヶ月 |
ステップ1のコンセプトは、最初は「ざっくり」で構いません。「若い女性向けのかわいいスイーツ」か「男性向けのがっつり丼」か、という程度です。大切なのは、売れなければメニューもターゲットも変えられる柔軟さを持つこと。こだわりで固めてしまうのが一番危険です。
キッチンカーを買う前に、やっておきたい2つのこと
- イベント会場を見に行く:行列のできている店と、人が来ていない店の違いを見ます。メニュー、価格、提供の速さ、タペストリー、スタッフの人数。実際に買って、接客も体験してみましょう。大学とオフィス街、地域のお祭りと大規模フェスでは、売れるものがまったく違います。
- キッチンカーでアルバイトをする:ピーク時の動き方、設備の故障や急な雨への対応、本当に必要な調理器具や決済機器、車内の動線。これらは現場でしか身につきません。
代表 池田この2つをやっている人とやっていない人では、開業後に雲泥の差が出ます。いきなりキッチンカーを買うのは、おすすめしません。
7〜8月の繁忙期に出たいなら、2月に動き始める
繁忙期は5月の連休と7〜8月です。この時期に出店できるかどうかで、年間の利益は100万円単位で変わります。大型イベントの募集は開催の約2ヶ月前に始まり、応募の時点でキッチンカーを持っていることが条件です。7月に出たいなら、5月上旬には納車されている必要があります。
| 時期 | カーローンの場合 | 融資の場合 |
|---|---|---|
| 1月 | — | 上旬に事業計画書と見積書をそろえ、中旬までに申請 |
| 2月 | 中旬にローン申請、下旬に契約・発注 | 中旬に着金、発注 |
| 4月下旬 | 納車、保健所の営業許可、備品の購入、練習 | 同左 |
| 5月上旬 | 7月のイベントに応募 | 同左 |
| 7月 | 初出店 | 初出店 |
カーローンは審査が2〜3営業日、資金が用意できるまで約1週間です。融資は、事業計画書の準備から着金まで1.5〜2ヶ月ほど見ておきましょう。
納車したその日から応募できる「最短ルート」
「出店先を決めてから車を作りたい」というご相談はとても多いのですが、販売している様子の写真と営業許可証がないと、手配会社への登録も応募もできません。そこで、キッチンカーの窓口では次の順番をおすすめしています。
- 納車前に、応募用の紹介文とメニュー写真を用意し、登録する手配会社を選んでおく
- 納車日にタペストリーも一緒に受け取り、その場で販売している様子を撮影する
- 午前中に納車し、その足で保健所へ行って当日中に許可を取る
- その日のうちに手配会社へ登録し、応募を始める
この流れなら、応募から出店まで約1ヶ月のサイクルで回り始めます。
あわせて読みたい:開業の全体ロードマップ/製作の流れ
キッチンカー開業にかかる費用はいくら?
中古車サイトには100万円以下の車も並んでいますが、実際に開業するまでにかかる総額は300万〜500万円が現実的な数字です。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 車体(オーダーメイド) | 軽トラ 250万〜300万円/中型車 350万〜450万円(税抜) |
| 調理機材 | 車体代に含まれることが多い |
| 資格・許可 | 食品衛生責任者の講習 約1万円+保健所の申請費用 |
| 保険 | 自動車保険(業務使用)、PL保険 |
| 決済・レジ | 全カード対応の決済端末、POSレジ(月8,000円程度) |
| その他 | 駐車場、食材の初期仕入れ、タペストリーなどの販促物、出店備品 |
| 運転資金 | 生活費の1ヶ月分以上、できれば3ヶ月分 |
飲食店を開くと、居抜き物件でなければ1,000万円近くかかることも珍しくありません。キッチンカーなら、オーダーメイドでもその3分の1ほど。家賃がかからず、やめるときも車を売れば一部を取り戻せて、原状回復の費用もかかりません。
ローンを組むなら、300万円が一つの目安
カーローンは、300万円を超えると審査が一気に厳しくなります。450万円の車なら、頭金150万円+ローン300万円のように組むのが現実的です。
たとえば300万円を7年(84回払い)、金利5.9%で組むと、月々の返済は約4万6千円。金利の総額は約67万円で、月に直すと8,000円ほどです。最近は、クレジットカードや携帯電話料金の引き落とし忘れで信用情報に傷がつき、審査に通らない方が増えています。気になる方は、早めに仮審査を受けておきましょう。
自己資金か、ローンか
| 自己資金が向いている人 | ローンが向いている人 | |
|---|---|---|
| 目安 | 貯蓄が最低500万円あり、購入後も100万円を運転資金に残せる | 手元のお金を運転資金として残したい |
| 利点 | 毎月の返済がなく、気持ちに余裕がある | すぐに始められ、修理や急な出店のチャンスに備えられる |
| 注意点 | 使い切ると「売らなければ」という焦りで判断を誤る | 300万〜500万円をかけた勝負だという自覚を忘れない |
考え方の軸は「金利の総額より、最終的な利益」です。全額を貯めるのに3年かかるなら、その間に得られたはずの利益(年300万円なら3年で900万円)を逃すことになります。ローンを組む場合は、会社員のうちに審査を通しておくことを強くおすすめします。
運転資金は多めに残しておく
開業してすぐに条件のいい仕事が来ることはありません。手配会社との関係ができるまでは、収支がトントンか赤字で始まるのが普通です。口座に50万円あるなら、ローンの返済には回さず、運転資金として残しておきましょう。
代表 池田私はキッチンカーを買ったとき、手元の現金は10万円もありませんでした。開業後に資金が足りなくなり、消費者金融から借りたこともあります。出店料の安い案件や、固定料金のかからない案件から慎重に始めて、なんとか持ち直しました。同じ思いは、してほしくないと思っています。
あわせて読みたい:キッチンカーにかかる費用の考え方
キッチンカーはどうやって手に入れる?4つの方法の比較
| 方法 | 費用の目安 | 期間 | 向いている人・注意点 |
|---|---|---|---|
| DIY(自作) | 改造費50万〜100万円以上+車体 | 数ヶ月 | 車づくりを楽しみたい人。保健所の基準を満たせず、途中で製作会社に頼み直すケースがよくある |
| 中古購入 | 50万〜350万円 | 即納〜数週間 | 初期費用を抑えたい人。故障や、設備がメニューに合わないリスクがある |
| オーダーメイド | 250万〜450万円(税抜) | 約1〜3ヶ月 | 本気で事業にしたい人。メニューに合った設計で、保証も付く |
| レンタル | 1日2万円〜 | 即日〜 | 向き不向きを試したい人。長く使うと割高 |
相場より極端に安い車は、車両かキッチン部分のどこかに問題があると考えておきましょう。中古を選ぶなら、現物を見て、傷、水が出るか、設備、走行距離、タイヤを確かめましょう。「クレープを売りたいのに、たこ焼き機が固定されている」といった車は買ってはいけません。
特に注意したいのが、2022年6月1日の営業許可の基準変更です。それより前に作られた中古車は、今の基準では許可が取れないことがあり、改修に別の費用がかかります。
ちなみに、キッチンカーの9割以上は中古車をベースに作られています。キッチンカーの窓口では、軽トラなら令和元年以降・走行3万km以内の車両に、新品のキッチン部分を組み合わせています。
あわせて読みたい:入手方法4パターンの比較
軽トラと中型車、どちらを選ぶべき?
目安は、月商100万円前後を目指すなら軽トラ、自分が現場に立って大型イベントで稼ぐなら中型車です。
| 比較項目 | 軽トラ | 中型車 |
|---|---|---|
| 車体価格(税抜) | 250万〜300万円 | 350万〜450万円 |
| 得意な出店 | 東京・横浜などのランチ(高さ制限や駐車スペースに強い) | 1日30万円以上が見込める大型イベント |
| 売上の目安 | 月商100万円前後(平日1日3万円、土日10万円) | 繁忙期は月商200万円以上、1日50万円以上も |
| 運転 | スタッフに任せやすい | 運転できる人が見つからず撤退する例も |
| 向いている人 | 現場をスタッフに任せたい、初期費用を抑えたい | 自分が現場に立ち、大型イベントで勝負したい |
1万人が来場するような大型イベントでは、在庫をたくさん積める1t以上の車が選ばれやすくなります。一方で、東京のランチ出店では中型車は駐車場所が取れません。週末の副業でイベント中心に出るのか、平日のランチ中心か。最初のコンセプトで、選ぶべき車が変わります。
見た目にお金をかけるのは、売上が立ってから
レトロな外装や塗装は、50万〜100万円以上かかることがあります。見た目のいい車が審査で有利になる場面は確かにありますが、お客様がSNSに上げるのはメニューの写真で、車ではありません。
- 車体のラッピング(8万〜30万円)は基本的に不要。販売窓口を開けるとほとんど見えません
- 軽トラの塗装は不要。タペストリーで車体はほぼ隠れます
- 中古の1.25〜2t車は傷や汚れが目立つので、塗装したほうが清潔に見えます
- カフェやデザートの専門店は、見た目が集客につながることがあります
代表 池田塗装にお金をかけるか、タペストリーにかけるか。迷ったら、タペストリーを選んでほしいと思います。
車体が赤ならタペストリーも赤い背景にすると、車とタペストリーが一体に見えて車が大きく見えます。軽トラで中型車と並ぶときに効く工夫です。
あわせて読みたい:軽トラと中型の比較/おしゃれなキッチンカーとシンプルなキッチンカー
キッチンカー開業に必要な資格と許可は?
| 資格・許可 | 内容 | 費用・期間の目安 |
|---|---|---|
| 食品衛生責任者 | 都道府県の講習会を1日受講し、最後の簡単なテストで取得。1台につき1名でよい | 約1万円・1日 |
| 保健所の営業許可 | 完成した車で管轄の保健所に申請。出店する都道府県ごとに必要(神奈川と埼玉で出すなら両方) | 審査は数時間 |
| PL保険 | 食中毒や異物混入に備える。ほぼすべての出店先で証明書の写しを求められる | 保険会社による |
| 自動車保険 | 業務で使う前提で加入する | 保険会社による |
| 8ナンバー登録 | キッチンカーは「8ナンバー(加工車)」で登録する。普通の黄色ナンバーのまま販売していると、事故のときに保険が下りないことがある | 製作時に登録 |
営業許可の基準は2022年6月に全国で統一されましたが、実際には保健所の担当者によって確認の仕方が違います。シンクは2槽でよい地域がほとんどですが、3槽を求められる地域もあります。基準を満たしていても、保健所の窓口での質問にうまく答えられず許可が下りないこともあります。
キッチンカーの窓口では、全国どこでも通るようにシンクを3槽にし、関東・東海は納車当日に保健所へ同行しています。遠方の方には事前に管轄の保健所へ基準と質問されそうな点を確認し、当日は電話でつないで受け答えをサポートします。万一許可が下りなければ、下りるまで無償で手直しします。
出店前にそろえておく備品
- 消火器(保健所が抜き打ちで確認に来ることもある)
- 防炎マーク付きのグレーか白のシート(ブルーシートは不可の会場が多い)
- 折りたたみコンテナ(4,000円台のものが壊れにくい。最初は6個ほど)と頑丈な台車
- 発電機(1,500〜3,000W。スポットクーラーを使うなら3,000W近く)
- 全カードブランドに対応した決済端末(登録に1ヶ月以上かかるので早めに)
- POSレジ、ラミネーター、折りたたみ椅子、スマホホルダー
最近は「現金NG」のイベントが増え、2025年ごろからはPayPayだけでなく、VISA・JCB・AMEXなど全ブランドのカードが使える端末が出店の条件になってきました。決済データがあると出店料の報告も正確にでき、主催者からの信頼にもつながります。
どこで売る?出店場所の見つけ方
キッチンカー事業の成否は、8割が出店場所で決まります。まず知っておいてほしいのは業界の仕組みです。イベントの出店は「主催者 → イベント会社 → キッチンカーの手配会社 → キッチンカー」という流れで決まり、関東・関西・九州では8割以上、東京では約95%が手配会社を通しています。
私が始めたころは、手配会社は全国に5社もありませんでした。主催者や地主に電話や飛び込みで営業し、販売している時間と出店場所を探している時間が同じくらいでした。今は、まず手配会社に登録して応募するのが基本です。
出店回数を決める「公式」
出店回数 = 応募数 × 応募の通過率
通過率の目安は10〜20%です。30回応募して通過率10%なら3回、20%なら6回、応募を60回に増やせば12回になります。30回応募して1回も出られないなら、通過率に問題があります。
| 応募数を増やす | 通過率を上げる |
|---|---|
| 手配会社に登録する(少なくとも10社、理想は50社。大手5社ほどは必須) | イベントのコンセプトに合わせる(タイフェスならタイ料理、大学ならがっつり系) |
| 出店エリアを広げる(1都県から4都県にすれば案件は倍以上に) | 「売上を作れる」メニューにする(主催者は売上の一部が収益) |
| 募集サイトを毎日見る | 在庫を多めに持つ |
| 案内が来たらすぐ応募する(締切間際はほぼ埋まっている) | 写真の質を上げ、すぐに丁寧に返信する |
応募書類は「お客様」ではなく「主催者」に向けて書く
応募で見られるのは、販売している様子の写真、メニュー写真、紹介文の3つです。主催者は試食をせず、写真で判断します。車だけの写真より、タペストリーや看板が写り、お客様が並んでいる写真のほうが評価されます。
紹介文は、7〜9割の方が「外はカリッと、中はジューシー」のようにお客様向けに書いています。でも読むのは主催者や手配会社です。「このキッチンカーを呼ぶと、あなたにとって利益になる」ことを、根拠と一緒に書きましょう。
- 実績:「フェスで10台の平均が10万円のところ、30万円売りました」
- 試算:来場1万人、購買率20%、客単価1,500円なら、10台で1台30万円。ピークに何人さばくか
- 体制:売上予想に合わせて何人で行くか、ピークの何分前から仕込むか
代表 池田唐揚げ専門店だった私は、タペストリーを8種類持ち、ポテトやホットドッグ、おにぎりなど8パターンの販売写真を毎回セットで送っていました。どんなイベントにも合わせられる、と伝えるためです。
一度でアウトになる5つの行動
- 遅刻(渋滞は言い訳にならない)
- 当日のメニュー変更(品目の増減や値上げ・値下げも禁止)
- イベント中に車の裏でたばこを吸う
- 主催者や手配会社への理不尽なクレーム
- 手配会社を飛び越えた主催者との直接取引
ドタキャン、売上報告や支払いの遅れも信用を大きく下げます。手配会社は、売上、遅刻やキャンセルの回数、やり取りの様子まで記録し、キッチンカーをランク分けしています。落ちた理由は教えてもらえません。知らないうちに「呼ばれないリスト」に入っている人は、実は少なくありません。
条件のいい案件は「数字」と「柔軟さ」で回ってくる
連絡が丁寧で早い、ルールを守る、売上報告と支払いを期日どおりに行う、現地で挨拶をする。ここまでできて、ようやく上から2番目のランクです。一番上に上がるには、「仕事をくれる側の意図をわかってくれる」と思ってもらうことが必要です。
池田の最高記録は、1台で月商2,700万円。手配会社から「カレーを出せるなら優先的に出られる」と打診され、50万円を設備に投資したイベントでした。30日連続で平均日商90万円。出店料20%、スタッフ5人分の人件費、原価30%、設備費を引いて、手元に約1,000万円が残りました。普段から信頼を積み重ねていたからこそ回ってきた話です。
キッチンカーの窓口は、登録4,000台以上のキッチンカーを1日100箇所以上の出店場所へ手配している、手配する側の会社でもあります(2026年10月時点)。くわしくは 出店場所を確保する方法、キッチンカー出店サポート をご覧ください。
何を売る?メニューの決め方
キッチンカーの窓口には、平日だけで1日100〜300台、月に1,000台以上のキッチンカーから「どこで、何が、何食売れたか」の報告が届きます。そのデータで見ると、売れるメニューの上位はこの10年ほとんど変わっていません。2026年5月時点ではケバブと唐揚げが2強で、たこ焼きも上位の常連です。
| 売れるメニュー | 苦戦しやすいメニュー | |
|---|---|---|
| 特徴 | 誰もが知っている/片手で食べられる/子どもが欲しがる | 初めて見る料理/ニッチすぎる |
| 提供の速さ | 注文から3分以内に出せる(ホットドッグ、タコスなど) | その場で手作りする(手作りピザ、餃子、乾麺から茹でるパスタ) |
| 原価 | 食材と容器を合わせて35%以内 | 高級ステーキなど原価が高すぎる |
| 例 | 唐揚げ、ケバブ、焼きそば、じゃがバター、かき氷 | コーヒーだけ、こだわりの一品だけ |
イベントとランチでは、売れるものが違う
イベントは子ども連れが多く、「食べ慣れているもの × 家では食べられない出来ばえ」が売れます。夏祭りの屋台の定番が最強です。次にまた同じ場所に出るとは限らないので、味は最低限を守ったうえで、売上と提供の速さを最優先します。夏は食中毒が出やすいので、冷凍食品をうまく使います。
ランチは20〜60代の大人が相手です。曜日を決めて同じ場所に通い、常連のお客様をつくる、お店に近い商売です。味と値段の満足感で勝負します。
初めての方には「唐揚げ+揚げたこ焼き」
ゼロから始めるなら、唐揚げとたこ焼きの2本立てがおすすめです。たこ焼きは鉄板で焼くのではなく、フライヤーで揚げる関東風にすれば提供が速く、設備も唐揚げと共通です。平日のランチは唐揚げだけにしてロスを減らします。
ケバブも強いメニューですが、専用の機械は撤退するときに処分に困ります。唐揚げならフライヤーだけで、ポテトなど別の揚げ物にも追加の投資なしで切り替えられます。
コーヒーだけで始めたい方へ
コーヒーだけで稼ぐのはかなり難しいのが正直なところです。オフィス街のランチもイベントも食事を求めているため出店先が限られ、客単価も500〜600円ほどです。食事を主役にして、コーヒーはセットにしましょう。メイン800円+コーヒー400〜500円で客単価1,000円以上、1日30人で日商3万円です。
代表 池田売れないときは、こだわりをいったん脇に置いて、売れるメニューに切り替えることも大切です。パンのイベントで唐揚げをパンに挟んだ「唐揚げパン」は、2日間で100万円売れました。
あわせて読みたい:キッチンカーで売れる物の決め方/儲かるメニュー
キッチンカーで利益はどのくらい残る?
キッチンカーの窓口のコンサルティングを受けている方の数字を見ると、売上のうち利益として残るのは35%前後が多く、30〜40%に収まります。
| 主な費用 | 売上に対する目安 |
|---|---|
| 原価(食材+容器) | 35%以内 |
| 出店料 | 売上の5〜30%(多いのは20%前後) |
| 交通費・燃料費・人件費・保険・駐車場 | 出店の仕方による |
| 残る利益 | 30〜40%(35%前後が多い) |
売上の基準値
- 平日のランチ:1日3万円を超えれば「また出たい」場所。初めての場所では1万円以下のこともある
- 土日のイベント:10万円前後が目安。最低でも5万円は売れる場所を選ぶ。売れるイベントなら20万〜30万円、1回で100万円を超える場所もある
| 目標 | 組み立て方の例 |
|---|---|
| 月商100万円(利益 約35万円) | 土日10万円×8日+平日3万円×12日。軽トラで十分届く |
| 月商約143万円(利益 約50万円、年600万円) | 平日3万円×16日+土日12万円×8日 |
月商100万円の例は、人脈なしで東京から始め、300万円のローンで軽トラを買い、運転資金30万円でスタートした場合の組み立てです。出店料は、売上が伸びなくても払う「固定」より、売上に応じて払う「歩合」の場所のほうがリスクを抑えられます。
イベント当日の売上を読む式
見込み売上 = 来場者数 × 0.2 ÷ キッチンカーの台数 × 単価
例:来場1万人、キッチンカー10台、単価800円なら16万円。ライブやスポーツのように食事が目的でないイベントは、来場者の約2割が買います。肉フェスなど食が目的のイベントはほぼ全員が買うので「0.2」を外し、単価も1,500〜2,000円で考えます。来場者数は手配会社に聞けば、たいてい教えてもらえます。
1人で1食2分かかるなら、1時間に出せるのは最大30食です。ピークに1時間50人来るなら、最低2人、できれば予備のスタッフも用意します。
利益を残す仕入れとタペストリー
うまくいっている事業者に共通するのは、いい冷凍食品をたくさん知っていることです。原価300円の料理を500食分仕入れて300食しか売れなかった場合、売れた分の原価率は33%でも、仕入れ全体では56%に跳ね上がります。冷凍なら、余った分を次に回せます。仕入れは業務スーパーや肉のハナマサのほか、ポイントが付くネット通販も使い、移動にかかるガソリン代や時間まで含めて考えます。
タペストリーは、お客様が通り過ぎる数秒で「何を売っているか」を伝える、一番の営業道具です。メニュー名と写真を一番大きく、言葉は「唐揚げ」より「秘伝のタレのジューシー唐揚げ」のように具体的に。湯気や照りが伝わる写真を使い、情報を詰め込みすぎないことが大切です。
実際にキッチンカーを始めた方の月商は お客様の成果実績 で紹介しています。
キッチンカー開業で失敗する人の共通点は?
キッチンカーは、1年以内に撤退する人が多い事業です。一番の原因は、軌道に乗る前にお金が尽きること。そして、その手前にあるのは「努力の方向違い」です。
- 自分の数字を知らない:利益、原価率、出店料が売上の何%か、仕事がどこから来ているか
- お金を使う順番が逆:車の見た目にかけて、タペストリーや運転資金が足りない
- やるべきことをやっていない:手配会社への登録が1〜2社だけ、応募が少ない
- 「頑張れば報われる」と思い込む:売れない場所で、場所を変えずに待ち続ける
- 社会人としての基本ができていない:連絡の遅さ、契約書を読まない、請求書が作れない
ある方は、1日1万円前後しか売れない場所で3ヶ月悩んでいました。主催者がキッチンカーを呼ぶのは、日替わりでいろいろなお店を楽しんでもらうためです。別の出店先を探すよう案内したところ、月商30万円が2ヶ月後には80万円になりました。
撤退ラインを先に決めておく
- 口座に1ヶ月分の生活費がない、または生活費を借りてまで続けているなら危険信号
- 撤退を考える前に、手配会社への登録を10社以上に増やして毎日応募する、メニューとオペレーションを見直す
- それでも開業から1年以上赤字が続くなら、いったん撤退を考える
やめると決めたとき、車の売値は買ったときの3分の1〜半分ほどです。会社を辞めていればローンだけが残ります。だからこそ、始め方が大切です。
あわせて読みたい:キッチンカーはやめとけと言われる理由/廃業率と失敗しないコツ
キッチンカー開業に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 体力がある(夏の車内は40℃近く。1日10〜12時間の立ち仕事も) | 初月から大きな利益を期待している |
| 売れない理由を自分の中に探せる | 「来場者が少なかった」と外のせいにする |
| マニュアルがない中で、試して直し続けられる | 応募の締切や収支の記録など、地道な管理が苦手 |
| 初対面の人とも気持ちよくやり取りできる | アドバイスを受けず、自分のやり方だけで進めたい |
会社を辞めるのは、副業で見通しが立ってから
代表 池田いきなり会社を辞めてキッチンカーを始めるのは、本当におすすめしません。
- イベントを見に行き、キッチンカーでアルバイトをする
- 会社員のうちにローンを通す(辞めると審査に通りにくい)
- 週末の副業として出店する
- 半年〜1年続けて、売上で生活費がまかなえる見通しが立ってから独立する
「副業では稼げない」というのは誤解です。本業の給料で生活しながら、現場の経験と手配会社からの信頼を積めるので、独立したあとの立ち上がりがまったく違います。
キッチンカーの製作会社の選び方は?
値段だけで決めるのはやめておきましょう。条件を満たさない会社の300万円より、満たす会社の320万円のほうが、結果的に安くつきます。
- 保健所の許可に責任を持つか:「許可が下りなかった場合の手直しは無料か」と聞いて、言葉を濁す会社は作りっぱなしの可能性があります
- 現場経験にもとづいて経営まで助言してくれるか:キッチンカーで売った経験のない会社の助言は机上の空論になりがちです
- 出店場所を案内してくれるか:過去にどこへ手配した実績があるかを聞きます
- 8ナンバーで登録するか、車内の動線まで考えた設計か
- 不要なオプションを足していないか:たとえば壁掛けエアコンはほとんど効かず、暑さ対策はスポットクーラーで十分です
くわしくは 業者選びの3つのポイント、一般的な製作会社との違い で解説しています。
2026年、キッチンカー業界はどうなる?
- イベント市場はコロナ明けから毎年伸びており、出店できる場所も増えている
- 一方で新しく始める人も増え、稼げる人と稼げない人の二極化が進んでいる。感覚としては、思うように稼げているのは2割ほど
- コンプライアンス重視で、大型イベントほど手配会社を通すのが当たり前になっている
- 現金が使えないイベントが増え、全カードブランド対応の決済が必須になりつつある
- 軽トラの荷台が20cm長い車が主流になり、150cmの冷蔵庫が積めるようになった。軽トラで中型と勝負する工夫が問われる
代表 池田みんなと同じことをやっていたら、みんなと一緒に廃業していってしまいます。
開業後に利益を出し続けるために
キッチンカーは、利益が出なければ続けられません。キッチンカーの窓口は、製作から出店場所の手配、開業後の経営コンサルティングまでを一社で行っています。
| 段階 | キッチンカーの窓口がすること |
|---|---|
| 製作前 | データにもとづくメニュー提案、車内の図面づくり、ローンの仮審査(最短即日)、事業計画書と面接対策の無料サポート |
| 製作 | 軽トラは令和元年以降・走行3万km以内の車両に新品のキッチン部分。販売窓口2つ、シンク3槽。工場と実車はいつでも見学可能 |
| 納車時 | 保健所への同行・電話サポート、タペストリーとメニュー表づくり |
| 納車後6ヶ月 | 経営コンサルティング(通常30万円)を無料で。紹介文の添削、地域別の登録すべき手配会社リスト、メニューや値付けの相談 |
サポートの内容は サポート体制、キッチンカー経営コンサルティング、製作の料金と流れは キッチンカー製作 をご覧ください。
キッチンカー開業のよくある質問
Q. 開業までどのくらいかかりますか?
ご相談から初出店まで、最短で2〜3ヶ月です。製作に約1〜3ヶ月、出店場所への応募から出店までに約1〜2ヶ月かかります。融資を使う場合は、さらに2ヶ月ほど見ておきましょう。
Q. 自己資金はいくら必要ですか?
ローンを使う場合、開業時の自己資金は30万円ほどでも始められます。ただし運転資金として、生活費の1ヶ月分以上、できれば3ヶ月分は残しておきましょう。全額を自己資金で買う場合は、購入後も100万円ほど手元に残せることが目安です。
Q. 副業から始められますか?
はい。むしろ副業から始めることをおすすめしています。会社員のうちにローンを通し、週末に出店して、自分に合うかを確かめてから独立するのが安全です。
Q. 相談やセミナーは無料ですか?
はい、無料です。まだ開業を決めていない段階でもご相談いただけます。
あわせて読みたい:キッチンカー開業でよくある質問
まずは、今の状況をお聞かせください
