キッチンカーは開業しやすいビジネスとして最近注目されていますが、「年収はどれくらいになるのだろう」という不安は大きいでしょう。
キッチンカーは会社員とは異なり固定収入はありません。しかし、自分の工夫や努力次第で即時の収入アップを期待できるのが魅力です。
本記事では、「キッチンカーの平均年収と収支モデル」「キッチンカーで年収を上げるメニュー作り・出店場所・宣伝方法」などを紹介します。
年収アップのコツを網羅しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
キッチンカーの平均年収はいくら?収支モデルは?
キッチンカーは自営業のため、稼げる年収には個人差があります。日によって売上も変わるため、毎月固定のお給料が入る会社員と異なる給与体系に不安を感じる方もいるかもしれません。
以下で、キッチンカーの「平均年収」「収支モデル」を詳しく解説します。同業者の平均や収支モデルを知ると自分の現在地がわかり、経営改善に役立つでしょう。
平均年収
キッチンカーは自営業のため、年収の個人差が大きいです。中央値は400~500万円ほどですが、イベントや出店場所によっては700万円以上稼ぐ方もいます。
令和5年分民間給与実態統計調査によると、日本の平均給与は458万円です。キッチンカーでも一般的なサラリーマンと同程度は稼げますが、キッチンカーの経営を始めたばかりで軌道に乗っていない場合は、月収が20万円前後になることもあります。
会社員として働いていた方が独立してキッチンカーを開業すると、会社員時代よりも収入が落ち込むかもしれません。売上を上げる工夫が大切です。
収支モデル
キッチンカーを1人で運営する際の収支モデルをシミュレーションしましょう。収入は売上、支出は出店料、材料費、その他経費があります。出店料を売上の10%、経費を売上の30%、経費を売上の5%とした時の1日の収支モデルは表の通りです。
売上 | 出店料 | 材料費 | 経費 | 支出計 | 純利益 |
30,000 | 3,000 | 9,000 | 1,500 | 13,500 | 16,500 |
ただし、土日祝は出店料が高くなる傾向がある点と、純利益から税金や年金が差し引かれるため実際の手取り収入はモデルより少なくなる点に注意が必要です。
キッチンカーで年収をアップさせるメニュー作り
キッチンカーで年収を上げるには、メニューの工夫が欠かせません。工夫するポイントは5つあります。
・看板メニューを作る
・3段階の価格帯を用意する
・客単価を上げることを意識する
・原価率の低いメニューにする
・速く提供できるメニューを選ぶ
「お客様の購買意欲を刺激する」「回転率を上げる」ことが、売上アップの秘訣です。以下で詳しく解説します。
看板メニューを作る
売上増加のために、看板メニューを用意しましょう。これだけは同業者に負けないというメニューがあると、他のキッチンカーとの差別化を図れます。
また、独自性のあるメニューはお客様の興味を引きやすく、覚えてもらいやすい点がメリットですが、馴染みのないメニューを導入するハードルは高いです。わかりやすい食材を入れるなどの工夫が求められます。
商品展開の際は看板メニューを軸に関連して広げていくと、まとまりのあるお店になります。お店のコンセプトを明確にする点でも、看板メニューの考案はおすすめです。
看板メニューの作り方については、こちらの絶対に失敗したくない人のための移動販売(キッチンカー)で売れる物の決め方の記事をご参照ください。
3段階の価格帯を用意する
キッチンカーの売上を増やすには、メニューに3段階の価格帯を用意するのもおすすめです。3段階の価格設定があると、人間は直感的に真ん中の価格帯を選びたくなるため、一番売りたいメニューを真ん中の価格に設定しましょう。
例えばクレープのキッチンカーの場合、シュガーバター400円、チョコバナナクレープ450円、いちごカスタードクレープ500円のように設定します。
価格帯が3つあると選ぶ楽しみが増えるほか、真ん中の価格の商品を買ったお客様は、「美味しかったから次は高い商品にも挑戦したい」と思うかもしれません。客単価が上がれば、売上も伸ばしやすいです。
客単価を上げることを意識する
キッチンカーの売上を伸ばすうえで重要なのは、客単価を上げることです。販売個数が少なくても、客単価が高ければ売上は大きくなります。
メインになるメニューの単価を上げる以外では、トッピングやサイドメニューなどで付加価値を付ける方法がおすすめです。例えば、トッピングチーズ200円、サイドポテト150円などにすれば容易に単価を上げられます。
また、セットメニューとして500円のメインと300円のドリンクを700円で販売すると、お得感もあり、客単価も上げられるでしょう。
キッチンカーの客単価は、手軽な施策で伸ばせます。
原価率の低いメニューにする
キッチンカーで売上を増やすには、原価率を抑えることが重要です。原価率が低ければ食材費が抑えられるため、同じ売上でも手元に残る利益は大きくなります。
商品の質を落とさずに原価率を下げるには、良い材料を低価格で販売している業者を見つけることが大切です。仕入れの際には複数の業者と相見積もりを取り、好条件の業者を定期的に選定しましょう。
同じ材料でできる商品をラインナップするのも良い手段です。食材ロスの削減も、原価率を抑えることにもつながります。
キッチンカーの材料費や維持費については、キッチンカーの維持費っていくらかかるの?安く抑える方法も解説という記事をご参照ください。
早く提供できるメニューを選ぶ
キッチンカーでは、早く提供できるメニューを考えましょう。販売個数が増えれば利益を出しやすいためです。
オペレーションに慣れるとある程度素早く提供できるようになりますが、オペレーションの簡略化にも限界があります。メニュー選びの段階から提供スピードを考慮しましょう。
例えばカレーライスなら、あらかじめ炊いたご飯とルーを準備しておけば、ご飯とルーをよそえばすぐに提供できます。キッチンカー外での仕込みも重要です。
キッチンカー内部の動線を工夫して、無駄な動きをしない環境作りも必要です。メニュー選びから実際に調理するまで、提供スピードは意識しましょう。
キッチンカーで年収を上げるための出店場所とは
キッチンカーで年収を増やすには、出店場所にも気を配る必要があります。ポイントは主に3つです。
・平日は継続しやすい場所に出店する
・週末は大型イベントに出店する
・企業の買取イベントも活用する
キッチンカーは自由に場所を移動して出店できるのが魅力です。曜日によってお客様が集まる場所を見極めて出店しましょう。
以下で詳しく解説します。
平日は継続しやすい場所に出店する
平日は継続して出店しやすい場所を選んでキッチンカーを営業しましょう。平日は1ヶ月に20日以上あるため、平日に安定した売上を作れると経営も軌道に乗りやすいです。
平日にキッチンカーを出店する場所の候補は、オフィス街、スーパー、大学やパチンコ店などが挙げられます。それぞれ求められる商品が異なるため、自分のキッチンカーの商品とニーズが合う場所で出店しましょう。
キッチンカーの経営を安定させるには、単発ではなく継続的に出店できる場所を見つける必要があります。マッチングサイトや出展場所のオーナーとの直接交渉を通じて、継続した出店先を確保しましょう。
週末は大型イベントに出店する
週末は大規模なイベントに積極的に出店しましょう。規模の大きいイベントでは多くの集客が見込めるため、一日で大きな売上につながる可能性があります。
ただし、イベントの規模が大きくなるにつれて出店料が高くなる傾向があり、売上が良くても利益が手元に残らないことがあるため注意が必要です。
イベントの主催者がSNSで情報を発信していることも多いため、ホームページなどのサイトだけではなくSNSのチェックも行いましょう。
休日は集客力があるイベントに出店して、売上を確保するのがおすすめです。
キッチンカーの出店料については、「キッチンカーの出店料とは?場所ごとの相場や失敗しないコツを紹介」という記事をご参照ください。
企業の買取イベントも活用する
企業が企画したイベントの来場者やスタッフ向けに、あらかじめ一定の食数の注文を受けて納品する「買取形式のイベント」も存在します。住宅展示場や携帯ショップで行われていることが多いです。
イベントを受注する際に食数と売上が決まっているため、食材ロスが出ず、赤字にもならないうえ、依頼を受けて出店しているため出店料はかかりません。キッチンカーのイベントではリスクが低いため、重宝されています。
ただし、企業からの依頼を待つ必要があるため、日頃からSNSなどでお店の宣伝をして声をかけてもらえるよう工夫が必要です。
出店料については、こちらの記事で詳しく解説しています。
キッチンカーで年収を上げるための宣伝方法
キッチンカーで年収を増やすには、宣伝方法にも工夫がかかせません。特に重視すべき点は2つあります。
・看板などお店の見せ方にこだわる
・ホームページやSNSを利用する
キッチンカーのそばを通りがかった人にも、SNSで情報を見ている人にも興味を持ってもらう必要があります。
以下で詳しく解説します。
看板などお店の見せ方にこだわる
キッチンカーを営業する際は、看板などの店構えにもこだわりましょう。
初めて来店するお客様は看板などの外観を見て興味を持つため、お店のコンセプトを意識した外観を作るのが重要です。
お店のメニューがひと目でわかり、ターゲットの客層が好みそうなデザインの看板を作るなど、お客様の目を引く工夫を凝らしましょう。
例えば、弊社でキッチンカーを製作させていただいた「呑みたいプリン」様のタペストリーは、商品の質感を伝えられるようにプリンをすくった写真を大きく使い、背景も明るく目を引く色を使っています。
このようにキッチンカーの営業時は、お店のコンセプトにあった看板などを使い、お客様の興味を引きつけて商品の購入につなげましょう。
ホームページやSNSを利用する
キッチンカーは出店場所が移動するため、ホームページやSNSなどを利用した宣伝がかかせません。
一度来店し、興味を持ってくれた方に再度来店してもらえるよう、SNSで随時出店情報を発信しましょう。それぞれのサービスごとに閲覧する客層が異なるため、できれば複数の媒体で発信するのがおすすめです。
ホームページではキッチンカーのメニューやコンセプトなど、SNSとは違う情報を載せましょう。ホームページを持つキッチンカーは少ないため、ホームページがあると信頼度も上がります。
インターネットを上手く活用しながら、リピーターを獲得し、売上増加につなげましょう。
まとめ
本記事では、キッチンカーの年収の平均や年収アップのポイントを解説しました。キッチンカーの年収を上げるために重要なことは主に3つです。
・メニュー作りを工夫する
・日によって適切な場所に出店する
・効果的な宣伝方法を考える
キッチンカーで売上を伸ばすには、上記の3点を工夫して、集客や客単価、回転率の向上を目指す必要があります。また、コストダウンも重要な視点です。
日々の運営で頭が一杯になりがちですが、現状の分析や中長期的な目線を持ってキッチンカーを経営することが年収アップにつながります。
キッチンカーは日ごとに売上の変動が激しいですが、会社員を超える年収を目指すことも可能です。開業前に売上を伸ばすコツを理解できれば、運営も軌道に乗せやすいでしょう。
キッチンカー開業前に、こちらの「キッチンカーで開業するためには?必要な資格や資金相場まで詳しく解説」記事もぜひご覧ください。