キッチンカーを辞めたいと思う理由5選!廃業を判断する基準とその後の選択肢

キッチンカーを開業したものの、「経営がうまくいかない」「このまま続けていけるのか不安」など、廃業を考えることもあるでしょう。

本記事では、キッチンカーを辞めたいと思う理由や廃業を判断する基準、廃業後の選択肢などについて紹介します。

キッチンカーを辞める際の手続きについても解説するので、万が一辞める場合に備えての知識も得られます。

キッチンカーを辞めようか検討している方も、これから開業予定で失敗したくない方も必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

目次

キッチンカーを辞めたいと思う理由5選

キッチンカーを辞めたいと考える主な理由は以下の5つです。

・出店場所がみつからない

・客単価が低くて利益が伸びない

・資金繰りが難しい

・販売メニューが顧客に受け入れられない

・体力・健康に問題が出てきた

辞めたい理由は経済的なものがほとんどですが、健康面も大きな理由になります。それぞれの理由と対処法について、詳しく解説します。

出店場所がみつからない

キッチンカーの出店場所が見つからない場合、売上も伸びないため廃業を考えるきっかけになります。

キッチンカーはさまざまな場所で出店できるのがメリットですが、出店場所が見つからないと売上は作れません。良い出店場所は既に押さえられている場合も多く、すぐに見つからない場合もあります。

キッチンカーは人が集まる場所で、エリアの需要に合う商品を販売することが大切です。継続的に良い出店場所がないか探しましょう。

出店場所はイベント主催者への問い合わせやマッチングサイトの利用など、多様な手段を用いて根気強く探す必要があります。

なお、出店場所を確保する方法はこちらの動画で詳しく解説しています。

【有料級】キッチンカーの出店場所を確保する方法

客単価が低くて利益が伸びない

客単価が低いと売上が伸び悩み、利益が薄くなって経営を続けるのが難しい場合があります。

キッチンカーは昼食や軽食に利用されることが多く、一般的な客単価は1,000円前後です。メニューに付加価値を加えたり、セットメニューを用意したりと客単価を上げる工夫が求められます。

ただし、客単価を上げるにも限界があるため、回転率を上げて一定の時間内に対応できる客数を増やす施策も同時に行う必要があります。

キッチンカーの廃業率や廃業理由について、詳しくは「キッチンカーの廃業率は高い?主な理由と失敗しないためのコツを解説」もご覧ください。

資金繰りが難しい

初期費用に開業資金を多く注ぎ込むと、開業後の資金繰りが難しくなる場合があります。

キッチンカーを開業する際は、資金に限りがある場合が大半でしょう。開業当初から十分な売上が出るとは限らないため、当面は初期費用でランニングコストをまかなう必要があります。

キッチンカーの車両や調理設備などに資金を使いすぎると資金繰りが厳しくなり、精神的な余裕をなくすおそれがあります。

余裕がないと運営面の問題解決も難しくなるため、初期費用を抑えたり、十分な資金を用意したりする工夫が必要です。

キッチンカーの維持費については「キッチンカーの維持費っていくらかかるの?安く抑える方法も解説」もご覧ください。

販売メニューが顧客に受け入れられない

競合と差別化できるように珍しいメニューを販売しても、お客様に受け入れてもらえずに売上が伸びないことも珍しくありません。

キッチンカーで商品を購入する場合、「失敗しないこと」を重視するお客様が多いです。たとえ美味しくても、初めて見る料理を購入しようとする方は少ないでしょう。

認知度が低くてもどうしても売りたいメニューがある場合は、定番メニューを用意しつつサブメニューとして販売するのがおすすめです。定番メニューで心を掴めば、次回は珍しいメニューにも挑戦してもらえる可能性が高まります。

お客様に喜ばれるメニュー作りも、売上を伸ばすためには重要です。

体力・健康に問題が出てきた

体力面や健康面で問題が起きた場合も、キッチンカーを辞めるか考えるきっかけになるでしょう。

キッチンカーは仕込みから販売、撤収まで少人数で行うため、1日あたりの労働時間は長くなりがちです。キッチンカー内部は暑く、夏場は熱中症の危険もあります。

たとえキッチンカーが繁盛していても、「病気が見つかった」「体力が続かなくなった」などの理由で休業せざるを得ない場合もあります。

キッチンカーの運営を継続するには、横のつながりも重要です。コネクション作りに役立つセミナーについては、「キッチンカーのセミナーとは?学べる内容と開催者の見分け方」もご覧ください。

キッチンカーを辞めたい!廃業を判断する3つの基準

キッチンカーの廃業を判断する基準は主に3つです。

・来客は0組という日がある

・看板メニューの売れ行きが悪い

・気力・体力に限界を感じる

来客数や売上などの数字ももちろん大切ですが、自分のコンディションが良くなければキッチンカーの営業は続けられません。

キッチンカーの継続可否を判断する基準について、それぞれ詳しく解説します。

来客は0組という日がある

来客がない日が存在するかどうかは、キッチンカーの廃業を考える一つのポイントです。

オープンからずっとお客様が来ないのではなく、徐々に来客数が減った場合は客足が遠のいた理由があります。

・出店場所がわかりづらい

・天候が良くない

・近隣に新しい飲食店ができた

上記の理由がなく1組もお客様が来ない場合、料理が美味しくない、サービスの満足度が低いなどの理由が考えられます。メニューの再検討やお客様対応の見直しが求められるでしょう。

キッチンカーは出店場所を自由に変えられるのもメリットのため、より良い出店場所を探し続ける必要があります。来客数を増やす努力は欠かせません。

看板メニューの売れ行きが悪い

看板メニューの売上が伸び悩む場合も、廃業を検討する基準になります。

これまで売れていたメニューが売れなくなった場合、「お客様に飽きられた」「需要がなくなった」と判断できます。お客様のニーズに合わなければ、売れ行きは良くなりません。

流行を取り入れていた場合は、最新の流行を調査して別の商品に入れ替えると良いでしょう。原価率を上げてバリューアップ、コストパフォーマンスアップなどの工夫も必要です。

キッチンカーで売れるメニューについては「絶対に失敗したくない人のための移動販売(キッチンカー)で売れる物の決め方」もご覧ください。

気力・体力に限界を感じる

気力や体力が限界になり、「現状をどうにかしよう」と考えられない状態になった場合も、廃業を決断する基準になります。

初期投資を行い、場合によっては銀行などから融資を受けるなどお金をかけて始めたキッチンカーでも、売上が伸びずに停滞する場合もあります。現状を変えようとしても、改善策が浮かばない状態まで追い込まれる場合もあるでしょう。

現状を改善したいと悩むうちに体調を崩したり、精神的に不安定になる場合もあります。健康に問題が発生し、キッチンカーの運営をより良くしようと考えられなくなったら廃業の検討が必要です。

キッチンカーを辞めたい!その後の選択肢

キッチンカーの廃業を検討した後の選択肢は、主に3つあります。

・廃業する

・業務委託する

・業態を変える

キッチンカーの廃業を検討した際の選択肢は、辞めるか続けるかの2択ではありません。運営に回ったり、業態を変更したりとそれまでと違う形をとる方法もあります。キッチンカーを続けるか悩んだ際の選択肢について、それぞれ詳しく解説します。

廃業する

キッチンカーを廃業し、販売を完全に辞めるのが一つ目の選択肢です。

廃業する場合はキッチンカーを売却し、再就職することになります。それぞれの流れについて解説します。

キッチンカーの失敗事例についてより詳しく知りたい方は、「キッチンカーの開業でよくある失敗事例!防ぐための7つのコツも解説」もご覧ください。

キッチンカーを売却する

キッチンカーを廃業して車両を売却する際は、専門のサイトや店舗を探す必要があります。

キッチンカーは加工車のため、通常の中古車販売店や大手サイトで買い取りを行ってもらうのは難しい場合が多いです。

キッチンカーを扱っている掲示板やサイトを探して、買取や査定を依頼しましょう。キッチンカーの制作会社で作ったキッチンカーなら、制作会社に相談する方法もあります。

長い時間を過ごした車両を納得のいく形で送り出せるよう、さまざまなサイトや販売店を比較するのがおすすめです。

再就職する

キッチンカーを廃業した後、正社員として再就職できるのかと不安に思う方も多いでしょう。

個人事業主から正社員への転職は可能です。これまでのキッチンカーの運営で得た経験や知識を活かせる職業に応募すれば、企業に効果的なアピールができます。

特にキッチンカーを開業する前に企業に勤めたことがある人なら、チームワークやビジネスマナーなどに懸念を持たれることも少ないでしょう。

なぜ正社員になりたいのか、なぜその業界を選んだのかなどを明確にしておくと、面接でもしっかりと受け答えできます。キッチンカーの運営で得たスキルを活かして転職活動を行いましょう。

業務委託する

キッチンカーを廃業せずに業務委託として第三者に販売を任せ、自分は販売から身を引くという方法もあります。

第三者に経営を任せれば、自分は別の事業を行いながら継続した収入を確保できます。キッチンカーの契約はそのままのため維持費の支払いは継続しますが、他の収入と合わせれば負担が減るケースもあるでしょう。

ただし、委託先の売上が落ち込んだ場合は、業務委託料と合わせると赤字になる場合があります。信頼できる人にキッチンカーの業務を委託するのが重要です。

廃業を決定する前に、身近にキッチンカーを運営したい人がいるかを確認すると良いでしょう。

業態を変える

キッチンカーを廃業せず、業態を変えるのもおすすめです。

業態を変更すると客層や需要も変わるため、売上を伸ばすきっかけを作れるでしょう。

移動販売ではなく固定店舗で開業したり、ランチではなく夜の惣菜販売にしたりと、工夫次第でさまざまな業態に変更できます。どの業態が自分に合っているか、お客様の需要に応えられるかをよく検討しましょう。

業態の変更には時間も費用もかかります。中途半端な計画で業態を変えると赤字になったり、経営が立ち行かなくなったりするかもしれません。資金調達や事業計画の作成などを入念に行い、慎重に検討する必要があります。

キッチンカーを辞めるときの手続きは?

キッチンカーを廃業する際の手続きは5つです。

・保健所に営業許可書を返納する

・税務署に廃業届を出す

・キッチンカーがリースの場合は清算する

・仕入れ業者など関係者に連絡する

・お客様へ連絡する

事務的な連絡や作業だけではなく、お世話になった人への挨拶も欠かせません。それぞれの手続きについて、詳しく解説します。

保健所に営業許可書を返納する

キッチンカーの廃業が決まったら、保健所に営業許可書を返納しましょう。

キッチンカーは開業時に飲食店営業許可を取得する必要がありますが、廃業時には廃業届の提出とともに営業許可書を返納する必要があります。

廃業から10日以内に営業許可を受けた保健所に足を運び、保健所が指定する廃業届に記入して営業許可書とともに窓口に提出してください。

基本的には窓口での手続きですが、電子申請や郵送で手続きできる場合もあるため事前に確認しましょう。役所の手続きは時間がかかる場合もあるため、気になる点は書類作成の前に問い合わせるのがおすすめです。

税務署に廃業届を出す

キッチンカーを廃業したら、税務署に廃業届を出しましょう。税務署に届け出る書類は最大4種類です。

・個人事業の廃業届出書

・給与支払い事務所等の廃止の届出

・所得税の青色申告の取りやめ届出書

・事業廃止届出書

「個人事業の廃業届出書」は、廃業して個人事業主としての収入がなくなる人に必要な書類です。従業員を雇っていた場合は「給与支払い事務所等の廃止の届出」が必要になります。

所得税の青色申告をした方は「所得税の青色申告の取りやめ届出書」、消費税の課税事業者の場合は「事業廃止届出書」が必要です。

開業届と廃業届は同じフォーマットのため、開業時に開業届出書のコピーを取っておくと負担が減ります。記入すべき書類が多いのでよく確認しながら作成しましょう。

キッチンカーがリースの場合は清算する

キッチンカーを廃業する際、リースで手に入れた車両を利用していた場合は清算が必要です。

リースはレンタルとは異なり、新品で購入してもらった車両を分割払いしながら利用するようなものです。廃業時に分割金が想像以上に残っていることも少なくありません。

リース契約で購入したキッチンカーの残債が多く、一括で返済できない場合は、リース業者に分割での支払いを相談する必要があるでしょう。

リース車両の所有権はリース業者にあるため、売買することはできません。必ず返却手続きを行い、残債を清算してください。

仕入れ業者など関係者に連絡する

キッチンカーの廃業が決定したら、仕入れ業者などの関係者にも必ず連絡しましょう。

食材の仕入れ業者に連絡したところ、仕入れ月の翌月支払いだったのに当月支払いになった、現金と引き換えでないと品物を届けてもらえなくなったなどの変更がされたケースもあります。

業者としては売掛金の未払いリスクを減らすために行っていることですが、トラブルを防ぐためにも事前にしっかりと事情を説明しましょう。

お互いに最後まで気持ちよく仕事ができるような関係づくりの一環としても、関係者への挨拶は欠かせません。

お客様へ連絡をする

キッチンカーの廃業日が正式に決定したら、来店してくれていたお客様への連絡も忘れずに行いましょう。

自分が知らないうちに閉店・廃業していたとお客様が知ると、がっかりされる場合もあります。逆に、しっかりと閉店の挨拶をすることで誠実さをアピールできるでしょう。

メールや公式LINEからの一斉配信、SNSや店の看板での告知でも問題ありません。事前告知をすれば、足が遠のいていた方も最後に来てくれる可能性があります。

特にリピーターとして贔屓にしてくれた方には挨拶をしておくと、いつか再開した際の追い風になるかもしれません。

まとめ

本記事では以下の4点について紹介しました。

・キッチンカーを辞めたいと思う理由

・キッチンカーの廃業を判断する基準

・キッチンカーを辞めたいと考えた後の選択肢

・キッチンカーを辞める際の手続き

キッチンカーを始める際は希望と気力に満ちあふれていても、業績悪化や健康上の理由から廃業を考えることもあるでしょう。

キッチンカーを辞めたいと思っても、廃業して再就職するだけでなく業務委託や業態変更などの道もあります。さまざまな角度から、今後どうしていくかの検討が必要です。

廃業時には事務的な手続きも必要ですが、個人事業主として最後まで責任を持って、お客様や関係者への誠実な対応を心がけましょう。いつかキッチンカーや別の事業を始める際に、応援してもらえるかもしれません。

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