岐阜県を拠点に、鹿の竜田揚げを中心としたジビエ料理を販売する「キッチン猪鹿僚」の入江さん。会社員から転身し、キッチンカーの窓口でキッチンカーを製作して、2025年9月に開業しました。
開業直後の月商は20〜30万円。月の半分しか出店が埋まらない時期もありました。それでも出店場所の確保に力を入れ、メニューを磨き続けた結果、開業から半年あまりの2026年3月には月商107万6,000円と、初めて100万円を超えています。
この記事では、入江さんが開業直後の壁をどう越えたのかを、インタビュー動画と代表の解説をもとに紹介します。
| 屋号 | キッチン猪鹿僚 |
|---|---|
| メニュー | 鹿の竜田揚げが主力。イベントでは鹿のサイコロステーキなど。2026年3月から鹿バーガーも販売 |
| メインエリア | 岐阜県 |
| 前職 | 会社員 |
| ご利用サービス | キッチンカー製作(特典の経営コンサルティング付き) |
| 開業 | 2025年9月 |
| 開業直後の月商 | 約20〜30万円 |
| 初めての月商100万円超え | 107万6,000円(2026年3月) |
| 月収の目安 | 約38万円(2026年3月、利益率35%で試算) |
キッチンカーを始めたきっかけ
入江さんがキッチンカーと出会ったきっかけは、狩猟でした。狩猟を始めたいと思い、師匠となる猟師の方を紹介してもらったところ、その方は自分で獲った猪をお店やキッチンカーで提供していました。そこで食べた鹿の竜田揚げのおいしさに感動し、キッチンカーの手伝いをするうちに、夫婦で「自分たちもキッチンカーをやりたい」と夢を描くようになりました。
鹿の竜田揚げは、師匠からレシピを教わり、自信を持って出せる一品です。一方で、それ以外のメニューはほとんどない状態からのスタートでした。
キッチンカーの窓口で製作した理由
いろんなところのYouTubeを見たのですが、代表の池田さんがされているYouTubeを見て直感ですね。この方だったら信頼できると思って選ばせていただきました。
入江さんは製作中に工場の見学にも訪れ、実際に作られている様子を見て、改めて依頼して良かったと感じたそうです。
開業直後の壁
お金と出店場所
開業してみると、キッチンカー本体のほかにも、想定以上にさまざまなお金がかかりました。そのうえ開業直後の9月と10月は、30日ほどのうち半分ほどしか出店が埋まらず、出店場所の確保にとても苦労しました。
許可が出るまで応募できない
入江さんが開業して気づいたのは、出店の準備に思った以上に時間がかかることです。多くの出店先は、保健所の営業許可がないと応募すらできません。さらに面談や審査にそれぞれ1か月ほどかかり、応募したイベントも1〜2か月先の開催です。納車してから本格的に出店できるまで、通常で2か月ほどかかります。
初出店のトラブル
初出店の日には、発電機が動かない、フライヤーの火がなかなかつかない、肝心のお肉を忘れて取りに戻るといったトラブルも続きました。発電機の燃料が空になっていることに気づいて教えてくれたのは、お客様だったそうです。
コンサルティングで変えたこと
1. 出店場所の確保
相談を受けてから、出店先の探し方と応募の仕方を一緒に見直しました。その結果、平日も出店が埋まるようになっています。入江さんは「出店場所は命」と話します。
2. 選ぶ側に向けたPR文
出店の応募では、主催者や手配会社がメリットを感じられるPR文が欠かせません。自分たちの料理のPRばかりでは、選考に通りにくいのです。PR文を選ぶ側に向けて書き直したことで、先輩事業者が「なかなか通らない」と話していた手配会社の選考にも通るようになりました。
3. メニューを増やし、磨く
おいしいと思って作っても売れないメニューをいくつも試しながら、売れる商品を探してきました。2026年3月には鹿のハンバーガーを始め、今では売上の半分ほどをハンバーガーが占めています。今後はハンバーガーを軸にしていく予定です。
成果:開業から半年あまりで月商100万円を超える
| 時期 | 月商 |
|---|---|
| 2025年9〜10月(開業直後) | 約20〜30万円 |
| 2025年11月 | 約89万円 |
| 2025年12月〜2026年2月(閑散期) | 約60〜70万円 |
| 2026年3月 | 107万6,000円 |
開業直後の月商20〜30万円から、2か月後には約89万円まで伸びました。冬の閑散期をはさみ、2026年3月には107万6,000円と初めて100万円を超えています。利益率35%で試算すると、この月の月収は約38万円です。
入江さんの言葉
出店場所は命だと思っているので、そこの不安を取り除いてもらったのは本当にありがたかったです。
キッチンカーは本当に夢のある仕事だと思っています。料理を提供して、おいしいと言ってもらう。そのために僕らは今やっています。
これから
当初は入江さん1人で始めた事業ですが、最終的には夫婦2人でキッチンカー事業をしていきたいと考えています。ジビエ料理を通して人とつながりながら、いずれは2台目の営業も目指しています。
代表の解説(キッチンカーの窓口 池田拓矢)
入江さんのように、開業直後に出店場所で苦労する方はとても多いです。営業許可がないと応募もできず、応募しても出店は1〜2か月先になります。キッチンカーを買う前から出店場所の見通しが立っていれば安心ですが、実際には納車してから最短でも1か月、通常は2か月目くらいから本格的に出店していく流れになります。
その期間を乗り越えるうえで大切なのが、選ぶ側に向けた応募です。主催者や手配会社は、売上を作ってくれるキッチンカーを求めています。入江さんはその視点を取り入れたことで、出店先を安定して確保できるようになりました。
これから開業する方へ
- 納車から本格的な出店までは、2か月ほどかかる前提で資金を用意しているか
- 営業許可を取ったら、すぐに応募を始められるよう準備しているか
- 応募のPR文は、主催者や手配会社に向けて書けているか
- 売れるメニューを探すために、試して改善を続けているか
インタビュー動画
開業6か月後のインタビュー(2026年5月)
キッチンカー製作時のインタビュー
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