たこ焼きのキッチンカーの始め方!費用目安や必要な設備まで解説

たこ焼きのキッチンカーは、手軽に始められ、多くの人に愛されるビジネスです。しかし、始めるにあたってはさまざまな準備や許可が必要です。

この記事では、たこ焼きのキッチンカーを始めるための基本的なステップ、必要な設備、費用の目安、さらには成功のコツについて詳しく解説します。この記事を読めば、たこ焼きのキッチンカーをスムーズにスタートさせるためのポイントがすべてわかりますので、ぜひご覧ください。

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。

目次

たこ焼きのキッチンカーを始めるメリット

たこ焼きキッチンカーは、多くのメリットを兼ね備えた魅力的なビジネスです。ここでは、4つのメリットをご紹介します。

幅広い世代に人気がある

たこ焼きは、性別や年齢を問わず多くの人々に愛されており、季節に関係なく高い需要があります。そのため、若者から家族連れまで、幅広い層のお客様に購入してもらえるため、売り上げを伸ばしやすいです。また、たこ焼きは食事としてだけでなく、軽食やおつまみとしても楽しめるため、様々なシーンで提供できるのも大きな魅力です。

利益率が高く稼ぎやすい

たこ焼きは、粉ものとして原価が低く抑えられるのが大きな特徴です。一般的に、たこ焼きの原価率は20~35%程度であり、飲食店の平均的な原価率である30%よりも低いです。このため、仕入れを工夫することで、たこ焼きは非常に利益を生み出しやすい商売と言えます。さらに、居酒屋のように多種多様な食材を扱う店舗とは異なり、たこ焼き屋は限られた食材を使うため、食材ロスが少なく済みます。結果として、コストの無駄を減らし、より効率的に運営することが可能です。

メニューがアレンジしやすい

たこ焼きは、そのままでも人気の高いメニューですが、アレンジのしやすさも大きな魅力です。シンプルな料理でありながら、多様なバリエーションを持たせることが可能です。

たとえば、たこ焼きの生地や焼き方を工夫して、カリカリの食感やふわふわの食感を楽しめるようにしたり、一口サイズから大きめのサイズまで様々な形で提供したりすることができます。

また、中身の具材も工夫次第で多彩にアレンジできます。定番のタコだけでなく、魚介類や肉類を入れるなど、独自の一品を創り出すことが可能です。こうしたアレンジの自由度が高いため、オリジナリティのあるメニューを展開しやすく、多くの顧客に楽しんでもらえるでしょう。

テイクアウトに向く

たこ焼きは、どこでも手軽に食べられる料理で、テイクアウトに最適です。箸や皿、スプーン、フォークなどの道具が不要で「立ちながら」「座りながら」「食べ歩き」と、どんなシーンでも楽しめます。場所を選ばず、食べたいと思ったときにすぐに食べられるのが大きな魅力です。

さらに、たこ焼きは手頃な価格で、食べやすい形状も相まって、購買意欲を刺激します。キッチンカーでの販売では、出来立ての香りや熱々のたこ焼きに惹かれる人も多いでしょう。

たこ焼きのキッチンカーを始めるときの注意点                   

たこ焼きのキッチンカーを始める際には、以下の2つの注意点があります。

  • ライバルが多い
  • 作り置きには向かない

たこ焼きは非常に人気が高いため、ライバルが多いことが挙げられます。そのため、他店との差別化を図る工夫が必要です。また、たこ焼きは作り置きには向かないため、常に新鮮で熱々の状態で提供することが求められます。これらのポイントを押さえておくことで、たこ焼きのキッチンカーを成功させるための準備が整います。

ライバルが多い

たこ焼きのキッチンカーを始める際の最大の難関は、同業者が多いことです。ライバル店が多い中で、自分のお店の存在をいかにして知ってもらうかが成功の鍵となります。独自の具材や製法など、その店ならではの魅力を持たなければ、リピーターを増やすのは難しいでしょう。

たこ焼きはシンプルな料理ですが、技術や保存状態によって味が大きく変わります。また、効果的な販促活動を行わないと、お客様の印象に残りにくくなります。お店に来てくれたお客様とのコミュニケーションを積極的に図ることも重要です。

作り置きには向かない

たこ焼きは作りたてが最も美味しい料理です。高温で調理されるため、短時間であれば作り置きしても美味しく食べられますが、その限界はおよそ30分です。それ以上時間が経つと、たこ焼き本来の味が失われてしまい、廃棄するしかなくなります。客足を見ながら、適切な量を調整して作ることが重要です。

たこ焼きのキッチンカーの平均収入・開業費用目安

ここでは、たこ焼きのキッチンカーを開業するための費用や、実際に得られる平均収入について詳しく解説します。

平均収入目安

たこ焼きのキッチンカーの収入について、一般的な目安を見ていきましょう。移動販売車でお好み焼きやたこ焼きを提供する場合、平均的な月収は20万円から40万円程度で、年収に換算すると約400万円から500万円となります。

ただし、なかには月収100万円、年収1,000万円以上を稼ぐ人もいます。

開業資金

たこ焼きのキッチンカーを開業する際の資金は、一般的に200万円から500万円程度が目安となります。この資金には、車両や調理設備の購入費が含まれます。

移動販売を行うためには、キッチンカーの初期費用がかかりますが、固定店舗のように家賃が発生しないため、ランニングコストを抑えることが可能です。

家賃が不要になる一方で、ガソリン代が必要となります。キッチンカーの平均燃費は約5km/L程度とされていますが、車種やサイズ、エンジンの種類、運転の仕方、道路状況によって変動するため、正確な燃費を確認した上で計算することが重要です。

また、ガソリン代だけでなく、車両の維持費、食材の仕入れ費、保険料、人件費なども考慮する必要があります。

たこ焼きのキッチンカー開業!2つの方法

開業には主に2つの方法があります。自分自身のオリジナルブランドを立ち上げるか、既存のフランチャイズに加盟するかです。どちらの方法にもそれぞれのメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴とポイントを詳しく解説します。

オリジナルブランドで始める

オリジナルブランドでたこ焼きのキッチンカーを始める場合、自分で店のコンセプトを決め、独自のメニューを開発します。この方法は、自分自身のお店を持つことになるでしょう。

独自のブランドとして開業することで、あなたのたこ焼きを気に入ってくれるお客様が増えやすくなり、収益の安定性が高まります。また、得た利益はすべて自分のものとなるため、利益率が高く、長期的な収入を見込むことができます。

収益の持続性や利益率を重視するなら、オリジナルブランドでの開業が最適です。

キッチンカーの始め方について詳しく知りたい場合は「キッチンカーの始め方5ステップ!準備からオープンまでの流れを解説!」の記事をご覧ください。 

フランチャイズで始める

移動販売車で焼き鳥屋を始める方法の一つに、フランチャイズに参加することがあります。フランチャイズに参加することで、マニュアルに従って運営できるため、初めての開業でも比較的リスクを抑えることが可能です。

しかし、フランチャイズ本部へのロイヤリティや加盟料が発生するため、売り上げが多くても実際の手取りは少なくなるというデメリットがあります。

たこ焼きのキッチンカー開業に必要な準備

たこ焼きのキッチンカーを開業するためには、以下の準備が必要です。

  • 出店場所と仕込み場所の確保
  • キッチンカーの入手
  • 必要な資格・許可
  • たこ焼きのキッチンカーに必要な設備(たこ焼き器・冷蔵庫)

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

出店場所と仕込み場所の確保

提供するメニューが決まったら、次に取り組むべきは出店場所と仕込み場所の確保です。

出店場所は、ターゲットとなる顧客層が多く集まる場所を選びましょう。例えば、家族連れを狙うならショッピングモールや休日の公園が適しています。サラリーマンをターゲットにする場合はオフィス街、学生を狙うなら大学やその周辺の学校が良い選択です。

さらに、キッチンカー内部での仕込みが認められないケースもあるため仕込みが必要なメニューを提供する際には、別途仕込み場所を確保する必要があります。仕込み用のスペースを借りる、他の人とシェアするなど、さまざまな方法があるため事前にしっかりと確認しておきましょう。

キッチンカーの入手

たこ焼きの単品メニューであれば、小型のキッチンカーが最適です。コンパクトで可愛らしいサイズの小型キッチンカーは、その見た目でお客様の目を引くことができます。

ただし、小型キッチンカーには限られた設備しか搭載できないというデメリットもあります。作業工程が多いメニューや、複数のメニューを調理する場合にはあまり適していません。

小型キッチンカーで営業する際には、特定のメニューに絞ることをおすすめします。

キッチンカーの入手について詳しく知りたい場合は「【入手方法別】キッチンカーの価格相場はいくら?必要な費用も含めて紹介」の記事をご覧ください。 

必要な資格・許可

キッチンカーの準備が整ったら、営業地域の保健所で営業許可を取得する必要があります。キッチンカーは食品を扱うため、飲食店営業の営業許可が必要です。

営業許可を得るためには、保健所で申請書類を提出し、施設検査に合格することが求められます。施設検査には基準があり、保健所の担当者に基準を確認してからキッチンカーを改造すると、検査をスムーズに通過できるでしょう。

また、販売するメニューによって必要な設備が異なるため、その点にも注意が必要です。施設検査のスケジュール調整は事前に保健所の担当者と行い、再検査の可能性も考慮して、余裕を持って申請手続きを進めることが重要です。

さらに、食品を扱うためには、食品衛生責任者の資格も必要となります。

営業許可に関して詳しくは「キッチンカーで販売するための営業許可とは?取得費用から流れまで解説」の記事にて解説しています。

たこ焼きのキッチンカーに必要な設備

たこ焼きのキッチンカーを成功させるためには、適切な設備を揃えることが不可欠です。以下では、特に重要な「たこ焼き器」と「冷蔵庫」について詳しく説明します。

たこ焼き器

たこ焼きのキッチンカーには、電気式とガス式の業務用たこ焼き器があります。電気式のたこ焼き器は200Vの電源が必要なものが多く、キッチンカーで使用するには200Vの発電機が必要です。しかし、発電機の大きさや重さを考えると、キッチンカーでの使用は現実的ではありません。

プロパンガスを契約してガス式のたこ焼き器を使用するのが一般的です。たこ焼き器は、「24穴×4連」といった形式で、穴の数と鉄板の枚数によって一度に焼けるたこ焼きの個数が決まります。鉄板の枚数が増えるとその分スペースも必要になるため、設置スペースと焼く効率を考慮して選びましょう。

冷蔵庫

たこ焼きの材料を保存するために、冷蔵庫が必要です。キッチンカーで使う冷蔵庫は、コンパクトなサイズがおすすめです。

一般的には一人暮らし用として使用される高さ50〜80cmほどの冷蔵庫が適しています。このサイズの冷蔵庫は容量が小さいため、多くの食材を必要としない場合に最適です。価格も1万円〜3万円程度と手頃で、コストを抑えて購入できる点が魅力です。

たこ焼きのキッチンカーで成功する3つのコツ

たこ焼きのキッチンカーで成功するためには、3つのポイントを押さえておく必要があります。

  • オリジナリティを打ち出す
  • 出店先を多数確保する
  • 外観を目立たせて集客力をつける

以上のポイントを押さえることで、他のキッチンカーと差別化し、顧客を惹きつけることができるでしょう。

オリジナリティを打ち出す

多くのたこ焼き屋がひしめく現在、市場は顧客の多様な好みに応える必要があります。競争を勝ち抜き、売り上げを伸ばすためには、他の店舗と差別化し、オリジナリティを強調することが重要です。

その一環として、他店では味わえない独自のメニューを提供することが有効です。新しいメニューが若年層の間で人気を博せば、SNSを通じて口コミが広がり、評判が一気に高まる可能性もあります。独自のアイデアを活かし、メニュー開発に挑戦することが成功への鍵となります。

出店先を多数確保する

移動販売の最大の利点は、需要のある場所へ自由に移動できることです。このメリットを最大限に活かすためには、需要の高い出店場所を積極的に開拓し、確保することが重要です。また、複数の出店先を確保しておくことも必須です。特定の場所が先方の都合で急に使えなくなることもあるため、複数の出店場所をリストアップしておくことで、販売機会を失うリスクを軽減できます。

さらに、出店する地域が広がるほど、新たな場所を確保しやすくなります。移動販売に慣れてスムーズな運営ができるようになったら、エリアを拡大することも検討しましょう。

外観を目立たせて集客力をつける

キッチンカーの外観や看板を魅力的にデザインすることで、集客力を高めることができます。視覚に訴えることで、通りすがりの人の関心を引き、立ち止まってもらうチャンスが増えます。商品メニューを写真で見せたり、横断幕やタペストリーで大きくアピールしたりするのは効果的です。ただし、写真と実際の商品が異なると、お客様の期待を裏切り、リピート利用を避けられてしまうので注意が必要です。

また、おしゃれで独自性のある外観のキッチンカーは、遠くからでも目立ち、SNSで写真が拡散されやすくなります。

外観を目立たせるにタペストリーも有効です。詳しくは「キッチンカーの集客に役立つタペストリー!選び方・購入方法・作るときのコツまで詳しく解説」の記事にて解説しています。

たこ焼きのキッチンカー成功事例3選

たこ焼きのキッチンカーは、その手軽さと美味しさで多くの人々に愛されていますが、成功を収めるには戦略と工夫が欠かせません。ここでは、実際に成功を収めた3つのたこ焼きキッチンカー、「FOOD TRUCK ひなた」、「たこやきライダー」、そして「にいたこ」の事例を紹介します。これらの成功事例から、キッチンカー経営のヒントを学びましょう。

FOOD TRUCK ひなた

「FOOD TRUCK ひなた」は、大阪府箕面市を拠点に活動するキッチンカーで、2023年と2024年のキッチンカーグランプリを受賞しています。彼らは栄養士免許を活かした本格的な調理技術と、身体のことを考えて作るこだわりの料理を提供しています。

提供メニューは多岐にわたり、たこ焼き、焼きそば、フルーツサンド、たこせん、かき氷、ドリンク、アルコール、オムライス、ロコモコ丼などです。特に、無添加のたこ焼きは国産小麦粉を使用し、高級なお出汁をふんだんに使い、職人が銅板で一気に焼き上げる最高峰のたこ焼きと評価されています。

インスタグラム:https://www.instagram.com/food_truck_hinata/

たこやきライダー

「たこやきライダー」は、熊本県八代市を拠点に活動するキッチンカーです。このキッチンカーは、ご夫婦で運営されており、バイクに乗ることが好きなことから「たこやきライダー」と名付けられました。

彼らの提供するたこ焼きは、とろとろでふわふわの食感が特徴で、出汁がよく効いた生地とぷりぷりのタコが絶妙な組み合わせを生み出しています。また、夏のメニューには「冷やしたこ焼き」もあり、冷たい出汁にたこ焼きが入った一品で、揚げ玉が良いアクセントです。

メニューはソース、だしマヨ、しお、だし醤油などがあり、特に「だしマヨ」が1番人気です。また、かき氷も提供しており、そのボリュームには驚かされます。

平日は主にイオン八代店などの八代周辺で、土日やイベント時は熊本県内さまざまな場所で出店しています。

たこ焼きライダー:https://www.instagram.com/cbr600rr.nami/

にいたこ

「にいたこ」は新潟県で活動するキッチンカーで、新潟県産コシヒカリの米粉を使用したたこ焼きを提供しています。店主の小泉さんは元々たこ焼きが好きで、新潟でたこ焼きを提供する居酒屋を開業したいと考えていました。しかし、新型コロナウイルスの流行により、予算的にも始めやすいキッチンカーを選択しました。

彼らのたこ焼きは、「外は薄皮、中はもちっトロっとした食感」が特徴で、原材料は国産・地産地消にこだわっています。こだわりポイントは、新潟県産のコシヒカリ米粉は田上町の佐藤農園さんの米粉を使用している点です。コシヒカリの品質ナンバーワンに輝いたことのあるコシヒカリを贅沢に米粉に加工してふんだんに使用しています。

メニューは、岩塩マヨ、あんかけ、焼きあご醤油などがあり「岩塩マヨ」が人気です。また、ドリンクやアイスの販売もしています。

にいたこ:https://www.instagram.com/niitako.nov.21.21/

まとめ

たこ焼きキッチンカーは、準備や許可、必要な設備など、始めるにあたって様々なことを学ぶ必要があります。しかし、成功すれば多くの人に愛されるビジネスとなるでしょう。この記事で紹介したポイントを参考に、ぜひあなただけのたこ焼きキッチンカーを始めてみてください。

キッチンカーが向いている人について詳しく知りたい場合は「キッチンカーに向いてる人・向いてない人の特徴!失敗しないための対策も解説」の記事をご覧ください。

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