キッチンカーの内装を決めるポイントは?営業許可の取得や向いてる車種も紹介

キッチンカーを開業するときは、外装だけでなく内装にも気を配る必要があります。

しかし、「どんな内装がいいのだろうか」「守るべきルールはあるのか」など、気になることも多いでしょう。

本記事では、「キッチンカーの内装のポイント」「営業許可を取るためのキッチンカーの内装」「キッチンカーの車種ごとの特徴」などについて紹介します。

キッチンカーの開業を考えている方には必見の内容です。ぜひ最後までご覧ください。

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。

目次

キッチンカーの内装のポイント

キッチンカーの内装は、以下の6つの場所ごとに考えるのがおすすめです。

・床
・壁、天井
・窓
・カウンター
・設備、機材
・収納

内装を考える際は、キッチンカー内部の場所ごとに、素材やお客様への見せ方など気をつけるべき点が異なります。1箇所ずつ丁寧にチェックできるよう、順番に詳しく解説します。

床を施工する際は作業効率や衛生面を重視し、滑りにくく掃除しやすい素材を選びましょう。毎日取り外して清掃・洗濯が可能なマットを敷くのも良い手段です。

キッチンカーの床面には調理時に跳ね返った油が飛び散る場合が多いため、衛生を保つためにも水洗いができる耐水性の素材を選ぶ必要があります。

溝がない平らな素材を使えば掃除がしやすいだけでなく、機材や食材の積み込み・積み下ろしも簡単になります。車内で火器を使用する場合は防火かつ難燃性の素材を選ぶのも重要です。

キッチンカーの床の素材は実用性を第一に考えて選びましょう。

壁・天井

キッチンカーの壁と天井は営業許可を取得する観点から、ホコリや昆虫などが入らない材質・構造が求められます。もちろん、雨風も防げることが条件です。

調理の際に油汚れがつく可能性もあるため、汚れが落としやすく凹凸が少ない素材が理想的です。また、壁には窓や棚、換気扇をつけたり、天井には照明を設置したりと後付けの設備が多いため、加工しやすい素材が適しています。

メニューによっては火器や熱源を使用して機材が高温になる可能性があるため、調理機材の周りは防炎・防火できる加工を施すと安全です。耐熱性の素材だと溶けたり、黒く焦げたりする場合があるため注意してください。

キッチンカーの窓は商品の提供口であり、調理風景を見せてお客様を引きつける場所のため、なるべく大きな面積を取りましょう。

窓には「跳ね上げタイプ」「窓タイプ」「シャッタータイプ」があります。

跳ね上げタイプの窓はデザインがオシャレなうえに雨避けになるのが魅力です。窓タイプは大きな面積を取りやすいため商品のアピールに効果的です。シャッタータイプを採用するキッチンカーは少ないですが、営業準備やメンテナンスが簡単にできます。

また、キッチンカー後部の扉は食材等の搬出入や車検の際の設備移動も考えて、観音開きにすると便利でしょう。

カウンター

キッチンカーのカウンターは広めに取るのがおすすめです。

カウンターは商品の受け渡しやレジ業務、梱包作業などに加えて商品の一時置き場など、使い方は多岐にわたります。使う機会が多いため、使えるスペースが広いと何かと便利です。

また、カウンターを設置する際は高さにも気を配りましょう。キッチンカーの経営者は腰痛に悩まされる方が多いですが、腰をあまり曲げずに作業できる高さにカウンターを設置すれば、腰痛の原因を取り除けます。

カウンターは利便性と自分の体への負担軽減を考えて設置するのがポイントです。

設備・機材

キッチンカーに備え付ける設備や機材を揃える際は、まず保健所からの営業許可を得るために必要なものの種類や規格を把握しましょう。

必須の設備を把握できたら、自分の提供したいメニューに合った調理機材や食材の保存方法などを考えます。

キッチンカー内部に設置する設備や機材は、大きくて車内に固定しなければならないものからレイアウトを決めましょう。車内での作業分担や提供効率も考えて動線を作り、機材を選びます。

大きな機材が決まったら、レードルやトングなどの調理小物やお会計の位置など、細かいところまで考えを詰めるのが大切です。

キッチンカーに必須の給排水タンクについては、「キッチンカーの排水はどこに捨てればいい?給排水タンクの選び方や手入れの方法も解説」の記事もご覧ください。

収納

キッチンカーの内装を考える際は、常温保存の食材やテイクアウト用の包材などのストックを収納する場所の確保も必要です。

1日の営業で必要十分な量の食材や包材の量や形状を考えたうえで、保管場所のスペースを作りましょう。

営業許可を取る際には、ホコリの入らない蓋つきの棚を設置するよう求められる場合があります。移動中の荷崩れを防止するためにも、蓋のある棚が望ましいです。

重い食材を積み込む場合には、保管場所の位置どりにも注意しましょう。収納位置を高いところにすると取り出すのが大変になり、車両の重量バランスも影響するおそれがあります。

営業許可を取るためのキッチンカーの内装

キッチンカーの内装を考える際には、保健所や役所からの許可が得られるよう留意する必要があります。ここからは2つのチェック項目について解説します。

・保健所でのチェック項目

・車検に対応するための項目

保健所でのチェック項目は営業許可を取得するために把握が必須ですが、車検に対応するためにはまた異なる点に気をつけなければならないため、一緒に確認しましょう。

保健所でのチェック項目

保健所でキッチンカーの営業許可を取る際のチェック項目は、主に下記の通りです。

・運転席と調理販売スペースが完全に分けられている

・換気扇の有無

・床や壁の材質は適切か

・シンクの大きさや数

・給水・排水タンクの設置と容量

・収納ケースがあるか

・販売スペースの有無

上記の他にも、衛生的に商品を提供できるように石けんや消毒液などの設置も必要です。

営業許可を取得する際に必須の設備は、地域ごとに若干異なる場合があります。内装を決める前に、出店予定の地域の保健所に相談して地域ごとのルールを確認しましょう。

保健所で取得するキッチンカーの許可とは?取得の流れと注意点も解説」もご覧ください。

車検に対応するための項目

キッチンカーの内装を決める際は、デザインや機能性と合わせて「車検に通せるものを作る」ことが求められます。

車両を陸運局に登録する際に、「4ナンバーの軽トラック」「8ナンバーの加工車」のどちらを選んでいるかで車検の通し方が異なります。

8ナンバーで登録している場合は内装の設備などを積んだままで車検を通せますが、4ナンバーで登録している場合は荷台の設備をすべて外さなければなりません。

8ナンバーの方が車検の際は楽ですが、加工車として登録する際は車種や設備に関して細かい条件があります。事前に陸運局に問い合わせて条件の確認が必要です。

内装を変更しやすいキッチンカー向けの車種

キッチンカー向けの車両にはいくつか種類がありますが、内装を変更しやすい車種について次の3つから紹介します。

・軽バン

・軽トラック

・1tトラック

内装を変更しやすい車種でキッチンカーを製作すれば、販売するメニューを変える際や車検を通す際にも簡単に内装を変えられて便利です。順番に詳しく解説します。

軽バン

エブリィなどの軽バンは、かわいいラッピングデザインなどで個性を出しやすいためキッチンカーでも人気です。

スペースが限られているため内装などの改造費用も安く済むのがメリットですが、車内が狭いため立って作業するのは難しく、複数名での作業にも向きません。

しかし人気がある車体のため、キッチンカー用に改造された中古車も多く出回っています。女性向けのキッチンカーを1人で運営する場合は特におすすめです。

軽トラック

スズキキャリーなどの軽トラックは、キッチンカーとして絶大な人気を誇る車体です。

天井の高さが十分にあるため立ったまま調理や接客などの作業が可能で、足腰への負担を軽減できます。一方で軽バンよりも内部が広く、改造費用は高くなりがちです。

ただし、自動車税などの維持費を安く抑えられるため、改造などのその他初期費用に回せる金額は増やしやすいでしょう。ラッピングやカスタマイズの自由度が高い点も魅力です。

1tトラック

1tトラックのメリットは、内部が広く2〜3人で調理や販売ができることです。

荷台にキッチンを搭載するだけで内装工事を終えられたり、メニューを増やすのも容易にできたりと、運営やデザインの自由度も高いです。

しかし、内部のスペースが広いため改造費用がかさみがちで、狭い場所での営業には適さない点に注意しましょう。車両費も高いため、予算と相談しながら車両を選ぶのが大切です。

キッチンカーの内装を決めるポイント

キッチンカーの内装を決定する際のポイントは4つです。

・メニュー変更にも対応できるようにしておく

・スタッフの人数が増えても使いやすいようにする

・コンセプトに合った内装にして差別化を図る

・キッチンカー専門の制作会社に依頼する

キッチンカーの内装は調理や提供の利便性と、コンセプトを反映できるデザイン性の両方が問われるため、多面的に検討しましょう。

メニュー変更にも対応できるようにしておく

キッチンカーの内装を決定する際は、メニューの変更にも対応できるような柔軟性を持たせましょう。

キッチンカーで販売するメリットは「人が多い場所に移動して販売できる」「出展場所の客層に合わせたメニューを柔軟に提供できる」ことです。キッチンカーの長所を最大限活かすには、メニュー変更に対応できる内装が求められます。

調理器具はすべて卓上タイプで、同じ熱源を使うもので揃えましょう。たとえばLPガス式と電気式を混在させると、スムーズなメニュー変更ができません。

メニューに合わせて調理器具を付け替えられるよう、車内のスペースに余裕を持たせるのが重要です。

メニューがまだ決まっていない方は「絶対に失敗したくない人のための移動販売(キッチンカー)で売れる物の決め方」もご覧ください。

スタッフの人数が増えても使いやすいようにする

キッチンカーの内装は、スタッフの人数が増えても使いやすいように動線を考えましょう。

初めは1人で運営していても、週末の来客数が多くなる日にはアルバイトを雇う必要があるかもしれません。複数人がスムーズに調理や接客を行えるよう、内部を工夫する必要があります。

キッチンカー内部に人が並んで立てるのか、役割分担ごとの仕事は持ち場をなるべく動かずに完結できるかなどを考えます。

調理・盛り付け・提供の流れが最短でできるような調理器具や設備の配置、キッチンカー外のスペースを活用した人員配置など、さまざまな観点から回転率を上げる工夫を行いましょう。

コンセプトにあった内装にして差別化を図る

キッチンカーの内装は、自分のお店のコンセプトに合わせたデザインにして競合のキッチンカーと差別化しましょう。

まずは自分のお店のコンセプトを決め、コンセプトに合った調理器具を選定します。トングやレードルなどの調理小物でも、シリコン製か金属製か、色はモノトーンかパステルカラーかなどで雰囲気はガラッと変わります。

店内の照明も、暖色か昼白色かで印象を変えられるでしょう。壁面の色でも他の車両と差をつけられます。

SNSでの写真映りなども考慮して、自分のお店のアピールになるおしゃれな内装をデザインしましょう。

キッチンカー専門の制作会社に依頼する

お店のコンセプトなど内装に関して自分なりの考えがまとまったら、キッチンカー専門の制作会社に依頼するのがおすすめです。

制作会社はこれまでの経験から、限られたキッチンカーのスペースの中で保健所の営業許可や車検を通せるよう、ある程度決まった配置案を持っています。

制作会社の持っている案を参考にしながら、競合と差別化できるよう自分のこだわりを反映させてもらうのが大切です。

また、内装について相談する際はキッチンカーの製作実績が豊富な会社を選びましょう。ホームページなどで事前に実績を確認すれば、キッチンカーを専門に扱う会社なのか判断できます。

弊社でもオーダーメイドのキッチンカーを製作しております。ぜひお気軽にご相談ください。

まとめ

本記事ではキッチンカーの内装について、以下の4つを重点的に紹介しました。

・キッチンカーの場所ごとの内装のポイント

・営業許可・車検を通すためのキッチンカーの内装

・内装を変更しやすいキッチンカー向けの車種

・キッチンカーの内装を決めるポイント

キッチンカーの内装は内部での調理のしやすさ、手入れのしやすさなどの利便性を優先して考えましょう。特に設備に不備があると営業許可が下りない場合もあるため注意が必要です。

一方で、キッチンカーの内装を工夫することで競合との差別化も図れます。自分のお店のコンセプトを反映するデザインを、キッチンカーの制作会社と一緒に考えるのがおすすめです。

キッチンカーの車両などの価格相場を知りたい方は、「【入手方法別】キッチンカーの価格相場はいくら?必要な費用も含めて紹介」もご覧ください。

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