キッチンカーに必要な3つの保険!補償内容や適用例も解説

キッチンカーで成功するためには、美味しい料理を提供することはもちろん、様々なリスクに備えることも重要です。万が一の事故やトラブルに巻き込まれた場合、多額の賠償責任を負う可能性があります。

そこで今回は、キッチンカーを安全に営業するために必要な3つの保険と、加入時の注意点を詳しく解説します。

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

監修者 池田 拓矢

キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら

目次

キッチンカーに必要な保険1.自動車保険

キッチンカーを安全に営業するために、自動車保険への加入は必須です。自動車保険には自賠責保険と任意保険があり、任意保険は自賠責保険でカバーできない範囲を補償しています。また、キッチンカーは一般的な車両とは異なるため、加入する際には特別な注意が必要です。

キッチンカーの自動車保険の金額は、いくつかの要素により異なりますが、一般的な金額は以下の通りです。

  • 車両保険なしの場合:年間約 82,570円または 84,000円
  • 車両保険ありの場合:年間約 110,000円~167,640円または110,000円~150,000円

車両保険は自動車保険の補償内容の一つで、自分の車が事故や災害などで損害を受けた場合に、その修理費用や購入費用を補償する保険です。上記の金額は参考のためで、具体的な金額は保険会社やプラン、車両の種類、使用状況などにより変動します。

自動車保険とは

自動車保険は事故の際に車の修理費用や怪我の治療費、破損した物品の弁償費用などをカバーする保険です。自動車保険には、法的に義務付けられている自賠責保険と、任意で加入する任意保険の2種類があります。

任意保険は自賠責保険では補えない範囲を補償するもので、対人・対物の両方に無制限の補償を提供するケースが多く、加入することで大きな安心を得られます。

自動車保険に加入するときの注意点

自動車保険に加入するときの注意点は3つあります。

  • 業務用車は保険料が高くなりやすい
  • 8ナンバーは加入できる保険が少ない
  • セカンドカー割引は適応外となる

それぞれについて詳しく見ていきましょう。

業務用車は保険料が高くなりやすい

業務用車は、一般的な日常使用や通学・通勤と比べて、運行時間や移動距離が長くなることが多いです。その結果、交通事故の可能性が高まり、それに伴って保険料も高く設定されます。

自動車保険の料金は、車両の利用目的により変動します。保険会社により分類方法は異なりますが、大まかには通学・通勤用、日常使用、業務用の3つです。

通常、週に5日以上または月に15日以上、業務目的で車両を利用する場合、それは業務用車とみなされ、保険料は上昇する傾向があります。

キッチンカーの維持費について詳しく知りたい場合は「キッチンカーの維持費っていくらかかるの?安く抑える方法も解説」の記事をご覧ください。

8ナンバーは加入できる保険が少ない

8ナンバーのキッチンカーは、加入できる保険会社が限られる傾向があります。一般的に、キッチンカーは軽トラックやバンなどを改造していますが、この改造により車両の登録状況が変化します。通常の車両登録では車検が通らない場合があるのです。普通貨物車や小型貨物車として登録することもできますが、厨房設備などを取り外す必要があります。

厨房設備を取り外さずに車検を受けるには、8ナンバーの特殊用途車として構造変更登録する必要があります。ただし、8ナンバーのキッチンカーには、適用可能な任意保険を見つけることが必要です。現在のところ、キッチンカーを扱う保険会社は限られており、キャンピングカーや福祉車両を扱う保険会社とは異なることが多いです。

キッチンカーの維持費について詳しく知りたい場合は「【入手方法別】キッチンカーの価格相場はいくら?必要な費用も含めて紹介」の記事をご覧ください。

セカンドカー割引は適応外となる

キッチンカーは、通常のセカンドカー割引の条件を満たさないことが一般的であり、そのため割引が適用されません。通常、2台目以降の車両には保険料が割引される「セカンドカー割引」が適用されます。

しかし、キッチンカーは通常のセカンドカー割引の条件を満たしていないことが多いです。セカンドカー割引の条件の1つに、1台目と2台目の使用目的が一致していることが挙げられます。キッチンカーの場合、通常の車両とは異なる業務目的で使用されるため、この条件を満たさないことが一般的です。そのため、セカンドカー割引が適用されず、通常の保険料率から加入することになります。

キッチンカーに必要な保険2.PL保険

キッチンカーには、事業主や経営者が飲食業を営む際に重要なリスク管理の一環として、PL保険が必要です。

キッチンカーに必要なPL保険(生産物賠償責任保険)の金額は、保険会社やプランによりますが、一般的な範囲は以下の通りです。

  • 年会費:約6,000円
  • 1年の保険料:約5,000円

したがって、合計で約11,000円で加入できることが一般的です。

PL保険とは

PL保険は、正確には「生産物賠償責任保険」と呼ばれます。

キッチンカーにおいては、自身が製造または販売した商品が原因でお客様に損害を与えた場合に補償してくれる保険です。

補償内容

一般的に、PL保険に加入すると以下のような補償が期待できます。

  • 製造物の事故被害者への支払い
  • 訴訟費用や弁護士への報酬
  • 事故発生時の応急手当費用や護送費用

ただし、商品自体の損害や商品回収に関連する費用は通常補償されませんので、その点は留意してください。また、PL保険に加入する前に発生した損害については補償されないこともありますので、事前に注意が必要です。

適用例

キッチンカーでのPL保険の適用例としては、以下のような状況が挙げられます。

  • 提供した食品が原因で発生した食中毒への医療費の補償
  • 商品の提供時にお客様の所有物を汚してしまった際の賠償金の支払い

特に、食中毒への医療費は大規模になると数千万円にも及ぶことがあります。キッチンカーの車内は調理時に高温多湿になりやすく、食中毒のリスクが高まるため、PL保険の加入は重要です。

また、一部の出店場所ではPL保険の加入が必須条件となっている場合もあるので、必ず加入するようにしましょう。

PL保険に加入するときの注意点

PL保険は年間の売上高によって保険料が変動するため、キッチンカーを開業する際には年間の売上予想額を提示する必要があります。売上高に応じて保険料を支払うこともありますが、一般的には保険料は安定しています。

自動車保険と異なり、事故後の保険料の増額はほとんどありません。大規模な事故を起こした場合には、翌年からの加入が見送られる可能性もありますが、基本的には保険料が一定です。

補償内容を考慮しても、キッチンカー開業時にはPL保険の加入が必須と言えるでしょう。

キッチンカーに必要な保険3.施設所有者賠償責任保険

キッチンカーを安全に営業するためには、自動車保険とPL保険に加え、施設所有者賠償責任保険への加入も検討する必要があります。

キッチンカーに必要な施設所有者賠償責任保険の金額は以下の通りです。

  • 月額:約1,000円~70,000円

保険会社やプランにより異なるので、具体的な金額は保険会社に直接お問い合わせいただくことをおすすめします。

施設所有者賠償責任保険とは

施設所有者賠償責任保険は、建物や場所、所有する施設の不備によって発生した損害賠償を補償する保険です。

キッチンカーでビジネスを始める際には、PL保険や自動車保険ではカバーしきれない事故が発生する可能性があります。そこで、施設賠償責任保険に加入することが重要です。

補償内容

施設所有者賠償責任保険の主な補償内容は以下の通りです。

  • 法律上の損害賠償金
  • 賠償責任に関する訴訟費用・弁護士費用などの争訟費用
  • 求償権の保全・行使などの損害防止軽減費用
  • 事故発生時の応急手当などの緊急措置費用
  • 弊社の要求に伴う協力費用

補償内容に関しては、事前に弊社の同意が必要な場合や、支払限度額や免責金額が適用される場合があります。

ただし、通常は賠償責任に関する訴訟費用や弁護士費用などについては、支払限度額を超えない範囲で全額が保険金の支払い対象となります。

適用例

施設賠償責任保険で補償される事例としては、以下が挙げられます。

  • 看板などの販促物が風に飛ばされ、お客様がケガをした場合
  • 車両から漏れた液体や油が出店場所を汚し、トラブルを引き起こした場合

これらの不測の事態に対応するために、施設賠償責任保険に加入しておくことが重要です。施設賠償責任保険は、PL保険や自動車保険よりも優先度は低いかもしれませんが、加入しておくことでより安心して営業を行うことができます。

ただし、自然災害などの事故は補償の対象外となる場合があるため、補償の内容を事前に確認し、適切な保険に加入することが重要です。

キッチンカーの失敗例について詳しく知りたい場合は「キッチンカーの開業でよくある失敗事例!防ぐための7つのコツも解説」の記事をご覧ください。

施設所有者賠償責任保険に加入するときの注意点

施設所有者賠償責任保険に加入する際の注意点は2つあります。

  • 自然災害による事故は一般的に補償の対象外
  • 内容をしっかり確認

台風や落雷などの自然災害による事故は一般的に補償の対象外です。補償範囲は主に「法律上の賠償責任」を対象としています。

加入前には、保険料や補償内容、保険金の限度額などを十分に確認してください。各保険会社やプランによって補償内容が異なるため、自身のニーズに最も適したものを選択することが重要です。

まとめ

キッチンカーを運営する際には、さまざまなリスクに備えて保険に加入することが重要です。特に、自動車保険、PL保険、施設所有者賠償責任保険の3つは、キッチンカー運営における主要な保険と言えます。

自動車保険は、事故時の車両修理費や医療費、物損費用などをカバーします。業務用車や8ナンバー車両の場合、保険料が高くなる傾向がありますが、事故時の経済的負担を軽減するためには必須です。

PL保険は、自社製品によるお客様への損害を補償します。食中毒などのリスクをカバーするため、飲食業を営むキッチンカーにとっては重要な保険です。

施設所有者賠償責任保険は、自社施設の不備による損害を補償します。看板の飛散や出店場所の汚染など、自動車保険やPL保険では補償しきれないリスクをカバーします。

これらの保険に加入することで、キッチンカー運営のリスクを最小限に抑え、安心してビジネスを展開することができます。

キッチンカーの維持費について詳しく知りたい場合は「キッチンカーの維持費っていくらかかるの?安く抑える方法も解説」の記事をご覧ください。

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