キッチンカーの運転資金は、キッチンカーで営業を続けるために必要な費用です。初期費用ばかりに目が行きがちですが、開業後の運転資金もしっかりと準備しておくことが大切です。
キッチンカーの維持費は、実店舗を構えるより安く済みますが、月に50万程度は必要です。ただし、車両の種類や営業規模によって大きく異なり、100万程度かかってしまう場合もあるでしょう。ここでは、キッチンカーの維持費の具体的な内訳や安く抑える方法も解説します。
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
キッチンカーの維持費 具体的な内訳を紹介
キッチンカーの開業は、初期費用だけでなく、維持費もしっかりと計算しておくことが大切です。
一台の車を維持するためには、数多くの費用が発生します。具体的にどんな経費がどのくらい必要になるのか、いまいちわからないという方もいらっしゃるかもしれません。
車両維持費、運営費、販促費といったランニングコストを頭に入れておきましょう。
具体的な内訳は以下の通りです。
- 車両維持費(車検・修理・メンテナンス費も含む)
- 各種税金
- 各種保険料
- 販促費(広告・ホームぺージなど)
- 水道光熱費
- 消耗備品費
- 交通費・燃料費(ガソリン代)
- 出店料
- 材料費
- 人件費
- 営業許可取得手数料
- 研究費(商品開発資金)
- 駐車場(契約していれば)
- 仕込み場所家賃(契約していれば)
以下で詳しくご紹介します。
車両維持費
キッチンカーの車両維持費は、以下の費用から構成されます。
- キッチンカーの購入やリース費用
- 車検費用
- 修理費用
- メンテナンス費用
キッチンカーの車両自体を購入する場合、軽自動車、トラック、キャンピングカーなどの車種や仕様によって価格が異なります。目安として、軽自動車ベースのキッチンカーは100万円から、トラックベースのキッチンカーは200万円から、キャンピングカーベースのキッチンカーは300万円からです。
車検は定期的に行う必要があり、その費用も車種や年式によって異なります。軽自動車の車検費用は10万円以上、トラックの場合は20万円以上かかることがあります。
また、キッチンカーの車両状態を良好に保つために、適切なメンテナンスと修理を実施することが必要です。
修理費用は故障箇所や部品によって異なりますが、数万円から数十万円かかることもあります。
メンテナンス費用は車の定期的な点検や整備にかかる費用で、車種や走行距離によって異なりますが、月額1万円~が目安です。
車検・修理・メンテナンス費も含む。
各種税金
キッチンカーの開業には、さまざまな費用がかかりますが、その中でも税金は大きな負担になります。
キッチンカーで発生する主な税金は以下のとおりです。
- 自動車税
- 自動車重量税
- 所得税
- 住民税
- 事業税
- 消費税
キッチンカーの車両を保有している場合、自動車税が課税されます。自動車税は、車両の種類や排気量によって税額が異なります。
キッチンカーの車両を所有している人にかかる税金が自動車重量税です。軽自動車の場合は、100kgあたり1,700円から2,500円程度です。
キッチンカーの収入は、事業所得として所得税の対象になります。事業所得は、売上から必要経費を差し引いた金額です。
所得税の基礎となる所得金額をもとに、住民税が課税されます。事業税は、都道府県や市町村が課税する税金で、都道府県によって異なります。
また、キッチンカーで販売する商品やサービスのほとんどは、軽減税率の対象です。軽減税率の対象となる商品やサービスは、8%の税率が適用されます。
キッチンカーの税金は、開業前にしっかりと把握しておくことが大切です。
各種保険料
キッチンカーを営業する際には、以下の保険に加入する必要があります。
- 自動車保険
- 損害賠償保険
- 火災保険
- PL保険
キッチンカーを運転する際には、自動車保険に加入する必要があります。自動車保険は万が一の事故の際に、相手方への損害賠償や自分の車両の損害を補償する保険です。
キッチンカーで調理や販売を行う際には、損害賠償保険に加入する必要があります。損害賠償保険は万が一の事故やトラブルの際に、被害者への損害賠償を補償する保険です。
さらに、キッチンカーの車両や設備を火災や盗難などの災害から守るために、火災保険に加入しましょう。火災保険は万が一の災害の際に、車両や設備の損害を補償する保険です。
キッチンカーで販売する商品やサービスによって、第三者に損害を与えてしまった場合に備えて、PL保険に加入する必要があります。PL保険は、万が一の損害賠償を補償する保険です。
販促費(広告・ホームぺージなど)
集客のために必要となる販促費(広告・ホームぺージなど)は、開業当初は特に重要な費用です。
のぼりや看板などの製作費は、キッチンカーの営業スタイルによって異なります。固定店舗のように決まった場所で営業する場合は、のぼりや看板を設置することで、遠くからでもキッチンカーの存在をアピールすることができます。イベント出店や移動販売を行う場合は看板などの目印があると、お客様が見つけやすくなるでしょう。
ホームページやブログの製作費・維持費も、キッチンカーの情報を多くの人に知ってもらうために必要なツールです。キッチンカーのメニューや営業情報、アクセス方法などを掲載することで、お客様の来店を促進することができます。
水道光熱費
キッチンカーの水道光熱費には、営業中だけでなく、仕込み時や事務作業時などの分も含まれます。たとえば、キッチンカーで調理する際には水道代や電気代がかかり、キッチンカーで事務作業を行う際には電気代がかかります。
キッチンカーの水道光熱費は、以下の通りです。
- 水道代
- 電気代
- ガス代
- プロパンガス購入費
- 発電機の燃料費
キッチンカーで使用する水や電気は、キッチンカーの種類やサイズによっても異なります。そのため、キッチンカーを購入する際には、水道光熱費のことも考慮しておきましょう。
消耗備品費
消耗備品費主な内容としては、調理用の消耗品、文具、季節ごとの店の装飾などが挙げられます。消耗備品費はキッチンカーの運営において不可欠です。
キッチンカーの消耗備品費は、キッチンカーの種類やサイズ、営業スタイルによって異なります。たとえば、営業頻度が高いキッチンカーは消耗品費が高くなり、また、営業スタイルによっては、特定の消耗品が頻繁に必要になる場合があります。
消耗備品費はキッチンカーの運営に欠かせないものであり、経費として計画に組み込むことが重要です。
交通費・燃料費(ガソリン代)
キッチンカーの維持費には、交通費・燃料費(ガソリン代)が含まれます。
交通費には、主に以下の2つが含まれます。
- 出店日にかかるガソリン代や高速道路料金
- 食材を仕入れる際に必要になるガソリン代
キッチンカーは、出店場所によって移動距離が大きく異なります。そのため、出店日にかかるガソリン代や高速道路料金は、キッチンカーの維持費の中で大きな割合を占める可能性があります。キッチンカーで販売する食材を仕入れる際にも、ガソリン代が必要です。食材を仕入れる場所が遠い場合は、ガソリン代がかさむ可能性があります。
出店料
キッチンカーの維持費には、出店料が含まれます。出店料は、出店場所やイベントによって大きく異なります。
比較的出店料が安いのは、以下の場所です。
- スーパーやドラッグストアなどの駐車場
- 大学
- 公園
- 地元の小さなイベント
これらの場所は、平日に安定した利益を確保しやすい場所です。
大規模なイベントは、以下ような場所で実施されます。
- 大型商業施設
- ショッピングモール
- スポーツイベント
- 音楽イベント
これらの場所で成功すれば1日で何十万円という売上を作れますが、どこも出店料が非常に高額です。
材料費
キッチンカーの維持費には、キッチンカーで販売する食材や調味料などにかかる材料費が含まれます。
キッチンカーの材料費の目安は売上の30%程度ですが、キッチンカーの種類やサイズ、営業スタイルによって異なります。たとえば、高級食材を使用するキッチンカーは、材料費が高くなるでしょう。また、営業スタイルによっては、特定の食材を大量に使用する場合があります。
キッチンカーの材料費は開業後も変動する可能性があるので、定期的に確認し見直しが必要です。
人件費
キッチンカーの維持費には、人件費が含まれます。人件費は、キッチンカーで働くスタッフの給与や社会保険料などにかかる費用です。キッチンカーの人件費の目安は、売上の10%程度です。
キッチンカーの人件費はキッチンカーの種類やサイズ、営業スタイルによって異なります。キッチンカーが大きい場合は複数のスタッフを雇う必要があるため、人件費が高くなります。また、営業スタイルによっては出店時間や営業頻度が高くなるため、人件費が高くなる場合があるでしょう。
営業許可取得手数料
キッチンカーの維持費には、営業許可取得手数料が含まれます。営業許可取得手数料は、キッチンカーの維持費の中では比較的少ない費用ですが、開業前にしっかりと把握しておくことが大切です。営業許可取得手数料は、15,000~20,000円程度ですが、金額は自治体によって異なります。
営業許可は、出店エリアごとに取得する必要があり、3つのエリアに出店する場合は約15,000円×3つ必要です。
また、同じ都道府県内でも取得条件が統一されていないことが多いので、事前によく管轄の保健所に相談することをおすすめします。
研究費(商品開発資金)
キッチンカーの維持費に含まれる研究費(商品開発資金)とは、新しいメニューや商品を開発するために必要な費用のことです。
キッチンカーの営業を成功させるためには、競合店との差別化を図ることが重要です。そのため、新しいメニューや商品を開発して、お客様に喜んでもらうことが大切です。
研究費(商品開発資金)は、キッチンカーの成功に欠かせない費用です。しっかりと計画を立てて、新しいメニューや商品を開発しましょう。
駐車場(契約していれば)
キッチンカーを営業するためには、必ず駐車場が必要です。キッチンカーを所有している場合は、自宅の駐車場を利用する方法もありますが、多くの場合は、契約駐車場を利用することになります。
キッチンカーを駐車するために駐車場を契約していれば、それも維持費に含まれます。
契約駐車場の費用は、場所や条件によって大きく異なります。月額数千円程度から、数万円程度まで幅広いです。
キッチンカーの成功に欠かせない費用のため、しっかりと計画を立てて最適な駐車場を選びましょう。
仕込み場所家賃(契約していれば)
キッチンカーの運営において食材の仕込みや調理を行うために、適切なスペースが必要です。自宅のキッチンが適している場合は余計な費用を抑えられるかもしれませんが、設備や規制要件を満たしていない場合、専用の仕込み場所を契約する必要があります。さらに、それに伴う家賃などの費用が発生することがあります。
仕込み場所を借りる場合、場所の広さ、設備、所在地などによって家賃が異なるので、ご注意ください。特に都市部では高い家賃がかかることがあります。
キッチンカーの維持費を安くする方法
キッチンカーの維持費を抑えるためには、以下の方法が考えられます。
- 食材のメニューを変える
- 食材の仕入れ先を変える
- 消耗備品費の仕入れ先を変える
- 自分が働いて人件費を抑える
- 軽トラックでキッチンカーを作る
これらの方法を組み合わせることで、より効果的にキッチンカーの維持費を抑えることができますが、自社の状況をしっかりと把握し、適切な方法を組み合わせて対策を講じることも大切です。
それぞれについて、以下で詳しく解説します。
食材のメニューを変える
キッチンカーの維持費を安くするために、食材のメニューを変える方法は有効です。
食材のメニューを変えることで、キッチンカーの維持費を安くすることができます。
食材のメニューを変えれば、新たな顧客層を開拓できる可能性もあります。たとえば、定番のメニューに加えて、健康志向のメニューやベジタリアン・ヴィーガンメニューなどを追加すると、新たな顧客層を獲得することができるでしょう。
ただし、食材費を抑えすぎると商品の価格が安くなりすぎて、お客様のニーズを満たすことができないことも考えられます。
メニューを変更する際にはターゲット層や季節、イベントなどを考慮し、適切に行いましょう。
以下の記事で売れるメニューについて詳しく解説しています。
関連記事:絶対に失敗したくない人のための移動販売(キッチンカー)で売れる物の決め方
食材の仕入れ先を変える
キッチンカーの維持費を安くするためには、食材の仕入れ先を変えることで、食材費を抑えることができます。
食材の仕入れ先を変えることで、新たな食材やメニューに出会う可能性もあります。たとえば、卸業者や産地直送の業者を利用することで、季節の食材や珍しい食材を仕入れることができます。
ただし、食材の仕入れ先を変えることで食材の品質や鮮度が下がってしまう可能性もあるため、仕入れ先変更の際には、しっかりと品質や鮮度をチェックすることが大切です。
消耗備品費の仕入れ先を変える
キッチンカーの維持費を安くするためには、消耗備品費の仕入れ先を変える方法もあります。
具体的には、以下の方法が挙げられます。
- 100円ショップやネットショップを利用する
- まとめ買いをする
- 業務用品を利用する
100円ショップやネットショップは、スーパーや専門店よりも安価です。さらに、業務用品は、一般家庭向けの消耗品よりも耐久性や使用量が多いため、長く使えるというメリットがあります。
また、まとめ買いすることで、1回あたりの単価を抑えることができます。
自分が働いて人件費を抑える
キッチンカーの維持費を安くするためには、自分が働いて人件費を抑えることも有効です。
キッチンカーの営業には、調理や接客などの人手が欠かせません。そのため、人件費はキッチンカーの維持費の中で大きな割合を占めることになります。キッチンカーでの必要な作業をすべて自分で行うことで人件費を抑えることができるでしょう。
また、家族や友人に手伝ってもらうことも、人件費を抑える方法の1つです。
アルバイトやパートを雇う場合は、勤務時間や勤務日数を短くするなど雇用条件を検討することで、人件費を抑えることができます。
軽トラックでキッチンカーを作る
キッチンカーの維持費を安くするためには、軽トラックでキッチンカーを作ることも有効です。
軽トラックは軽自動車であるため、車両税や自動車保険料などの維持費が普通車よりも安く抑えられます。車両購入時にローンを組んでいる場合、月々の支払い費用を抑えることができるでしょう。またガソリン代も大型の車両に比べて安く抑えることが可能です。
ただし、軽トラックの荷台の高さは普通車に比べて低いため、調理や接客の際には頻繁にかがんだり、しゃがんだりする必要があることも考慮しておいてください。
まとめ
キッチンカーの維持費は、車両維持費、各種税金、各種保険料、販促費、水道光熱費、消耗備品費、交通費・燃料費、出店料、材料費、人件費、営業許可取得手数料、研究費(商品開発資金)、駐車場(契約していれば)、仕込み場所家賃(契約していれば)など、さまざまな費用が含まれます。
キッチンカーの維持費を抑えるためには、食材のメニューを変える、食材の仕入れ先を変える、消耗備品費の仕入れ先を変える、自分が働いて人件費を抑える、軽トラックでキッチンカーを作るなどの方法が考えられます。
キッチンカーの維持費は、キッチンカーの種類やサイズ、営業スタイルによっても異なるため、開業前にしっかりとシミュレーションを行い、適切な対策を講じることが大切です。
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