トレンドを掴む！タコスのキッチンカー(移動販売)で成功するための3つのコツ

アメリカの国民食であるタコスをキッチンカー（移動販売）で出店したいと考えている人もいるのではないでしょうか。トウモロコシをすりつぶして薄く延ばし焼いたトルティーヤに、色とりどりの野菜を一緒に食べるのがタコスの魅力でもあります。

手にもって気軽に食べられることからも、キッチンカー（移動販売）向けのメニューといえます。タコスをキッチンカーで販売するうえで覚えておきたいメリットや注意点、成功するためのコツについて詳しく解説していきます。

タコスのキッチンカー(移動販売)を始めるメリット

メキシコ料理であるタコスは、日本ではまだまだ珍しいメニューとして知られています。近頃はタコス人気も高まり、タコス専門店なども増えてきています。そんなタコスをキッチンカー（移動販売）で始めるうえで、どんなメリットがあるのか気になっている人もいるのではないでしょうか。まずは、タコスを出店するためのメリットを抑えておきましょう。

ランチ営業、イベント営業どちらにも向いている

タコスは、片手で持って気軽に食べられることもありランチ営業・イベント営業のどちらにも向いているメニューです。キッチンカーでは、いかに出店場所を確保するのかも重要になってきます。タコスのように、フードフェスなどのイベントや、繁華街や公園のちょっとしたスペースに出店し販売することも可能です。

人の多い場所でも出店しやすいため、集客力にも優れており、売上を作りやすいメリットが期待できます。また、タコスのお店は少ないのもあり、一度食べて気に入ってくれた人がリピーターになりやすい特徴もあります。営業時間や場所を問わずに出店しやすいことは大きな強みといえるでしょう。

トレンド性が高い

タコスなどのメキシコ料理は、若者を中心に人気があり写真映えする見た目からもSNSで共有されやすいメニューといえます。ボリューム感もあり、お肉や野菜もたっぷりと入っているので見ただけでも美味しさが伝わってきます。

写真投稿をきっかけに興味をもってくれる人や、口コミ・評判が広がりやすい特徴もあります。女性からの人気の高いメニューでもあり、ビジネス街や大学のキャンパス、イベントで売上が見込めます。トレンド性が高く、注目されやすいメニューだからこそ集客もしやすく、工夫次第でキッチンカーとして売上も期待できるでしょう。

キーワードプランナーというツールで「タコス」という検索ボリュームを2021年から比較してみると、約3〜4倍に増えていることがわかります。

つまり、それだけ認知度が上がり、トレンドになっているということです。

調理時間が短い

タコスは、事前に肉や野菜、チーズの準備などの具材を刻み味付けするなど仕込みが必要になります。とはいえ、仕込みさえ済ませてしまえば、あとはトルティーヤに具材をのせるのみと調理作業が簡単です。

実際に注文を受けてから、具材を上にのせるだけで提供できますし、具材の種類が決まっている場合は、注文から受け渡しまでもスムーズに進みます。短時間で調理を済ませ、回転率をあげていかなくては売上には繋がりにくくなってしまいます。タコスのように調理時間が短く、注文を受けてからすぐに提供できるのは大きなメリットと言えるでしょう。

メニューをカスタマイズしやすい

タコスは、豊富なトッピングや味付けを自由にアレンジできるのも魅力です。キッチンカーのスペースは限られてしまうこともあり、厨房機器を増やすことなく手軽に変化がつけられるメニューを選ぶ必要があります。

例えば、日本で見かけるタコスの定番は、挽肉に野菜をトッピングしたものですが、タコミートやワカモレを増やしたり、彩でトマトやパクチー、チーズを増やすのもおすすめです。なかに入れるご飯も、白米だけでなくヘルシーな玄米や雑穀米のなかで選べるようにするとリピーターを増やしやすくなります。

トッピングや味付けを自由にアレンジできることもあり、地域やイベントに合わせて独自性を打ち出すことにも繋がります。

回転率が高い

タコスは、具材をトルティーヤに乗せるだけで完成するようなシンプルな調理工程が多いメニューの一つです。タコスの場合、作業工程がシンプルなので、注文を受けてから短時間で提供できるので、お客様を待たせてしまう心配もなくなります。

また、片手で持ち運びがしやすい形状になるため、持ったまま移動できますしお客様は長時間滞在する心配もなくなります。また、タコスは冷めてしまっても美味しく食べられる料理なので、事前に仕込みを済ませておけるのもメリットといえるでしょう。

次々に新しいお客様を受け入れやすくする回転率の高さもタコスの特徴です。

タコスのキッチンカー(移動販売)を始めるときの注意点

タコスのキッチンカー（移動販売）にはたくさんのメリットがあることがわかってもらえたと思います。次に、キッチンカー（移動販売）を始めるときの注意点について詳しく説明します。

キッチンカーで提供しているメニューのなかでも、タコスの人気は高く、工夫をした売り方をしないと、利益が出しにくくなってしまいます。

具体的にどのような注意点があるのか、詳しく見ていきましょう。

食材がロスになる

タコスの出店は、廃棄ロスを防ぐための対策も必要になります。トルティーヤの上に乗せる肉類や野菜など賞味期限の短い食材が多くなります。仕入も売上予測に基づいた適切な量を判断しなくてはいけません。イベント出店かランチ出店かによっても変わってきます。

どんなに売上が上がっていても、経費ばかりがかかってしまい利益が出ないと赤字になってしまいます。トッピングで売り上げを上げることは大切ですが、食材の種類を増やしすぎてしまうと原価管理が難しくなってしまうので気を付けましょう。

タコスに使用する原価率はカトラリーも含めて35％以下に抑えるようにするのもポイントです。

単価が低くなりやすい

タコスは、気軽に購入できる軽食のイメージで認知されていることも少なくありません。そのため、高価格帯での販売が難しい場合も考えられます。もともとキッチンカーの客単価は1,000円を超えないともいわれているように、客数が増えないと売上が上がらない一因になってしまいます。

メキシコ料理にあうドリンクをセットにして販売するなどの工夫をしておかないと、客単価が低くなってしまいます。またイベント出店ではアルコールを一緒に販売するなどの工夫をしておくと、より幅広い層のお客様を獲得できるようになります。おつまみメニューなどの工夫をしておくことも大切です。

競合のキッチンカーが多い

タコスは今注目されているメニューです。人気があるからこそ、他のキッチンカーとメニューが被りやすい注意点についても考えておかなくてはいけません。他にも、タコスに特化したキッチンカーが出店しているかどうか下調べをしておきましょう。

また、タコスでメニューが被っていたとしても、購入してもらえるようなアレンジを加えておくとおすすめです。地域の特徴を活かしたトッピングや、おしゃれな包装紙などお客様が見たときに「ここで買いたい」と思ってもらうにはどうしたらいいのかを考えておくことも大切です。競合のキッチンカーとの差別化も工夫しましょう。

タコスのキッチンカー(移動販売)開業！必要な2つの資格

タコスのキッチンカー（移動販売）を開業するためには「食品衛生責任者」「飲食店営業許可証」の2つの資格が必要になります。キッチンカーは移動式ではありますが、飲食店の一種になるため、この資格を持っていないと開業できなくなってしまいます。それぞれ、どうしたら資格を取得できるのか、また気を付けるべき点も含め説明します。

食品衛生責任者

キッチンカーを開業するためには、必ず1人以上が取得しなくてはいけない資格になります。各都道府県の食品衛生協会が行っている「食品衛生責任者養成講習会」を受講する必要が出てきます。

事前に予約が必要になるため、行ったその日に講習会が受けられるとは限りません。また、食品衛生責任者養成講習会は、会場集合型と、講習会、もしくはeラーニングで受講することも可能です。受けやすい方法で食品衛生の知識を学びましょう。

ただし、食品衛生責任者は「栄養士」「調理師」などの資格を持っていると免除され、受講せずに食品衛生責任者の資格がとれます。

飲食店営業許可証

キッチンカーで開業するためには、保健所から「飲食店営業許可証」を取得する必要があります。販売したい地区にある保健所にて申請を行いますが、管轄している区域がわからないときは、厚生労働省のWEBサイトにて確認することもできます。

飲食店営業許可証を取得するためには、食材の保管方法や清掃・調理設備も含め必要な設備や施設を満たす必要があります。

また、必要な書類をそろえたあとに、出店する地域ごとに飲食店営業許可証を申請してください。地域ごとに基準も変わってきますので、各都道府県の保健所もしくはガイドラインを確認するようにしておきましょう。

保健所でキッチンカーの許可をとるには、保健所で取得するキッチンカー(移動販売車)の許可とは？取得の流れと注意点も解説で紹介しています。

タコスのキッチンカー(移動販売)開業費用の目安

タコスのキッチンカー（移動販売）を開業するためには、300～500万円程度かかるといわれています。具体的な内訳としてキッチンカーに使用する車両の購入はもちろん、設備費や許可申請日費用などさまざまなお金がかかってきます。

キッチンカーの開業にかかる費用の目安をまとめて紹介します。

車両代	キッチンカーのサイズによって異なりますが、新品で用意したと仮定して300万円前後が相場
設備費用	タコスを作るための設備投資として50万円程度必要
販促費用	SNSを使うかチラシを使うか予算に合わせて選択する
許可申請費用	申請にかかる費用は数万円程度
運転資金	キッチンカーがある程度軌道にのるまでにかかる3ヵ月分の生活費

どのように運営するのかによっても変わりますが、まとまった開業資金が必要です。

タコスのキッチンカー(移動販売)開業に必要な準備

タコスのキッチンカー（移動販売）開業に必要になる準備について詳しく説明します。

具体的には、出店場所や仕込み場所はもちろん、キッチンカーの車両を用意することや設備などの準備が必要になってきます。キッチンカーを開業してから後悔することのないように、必要なものは計画的に準備を進めておくようにしていきましょう。

出店場所と仕込み場所の確保

キッチンカーの準備として、欠かせないのは「出店場所」と「仕込み場所」を確保することです。出店場所はタコス人気の高い若い世代や女性のお客様がよく利用する場所を選ぶことがポイントです。ビジネス街はもちろん、繁華街、イベントなどトレンドを意識していて、新しいものやおしゃれなものが好きな人が集う場所がおすすめです。

また、タコスを仕込むためには、キッチンカー以外の場所を確保しなくてはいけません。仕込み場所はシェアキッチンのように複数人で使う方法もありますし、仕込み用の物件を借りる方法もあります。使いやすい場所を選ぶようにしておきましょう。

キッチンカーの入手

タコスのキッチンカーのサイズは、軽トラックが向いています。立ったまま作業ができるので、タコスの準備もはかどります。冷蔵庫・冷凍庫・コンロやフライヤーなどの設備が必要になりますが、軽トラックでも十分な大きさだと思います。

軽トラックは出店するときに場所を選びにくく、ランチ出店やイベント出店でもスペースの確保がしやすい良さもあります。キッチンカーを入手する方法として、新品で購入するのもいいですがコストを抑えたいときは、中古購入やレンタル、リースも検討してみてください。初期頻度や出店する頻度、キッチンカーを置くスペースも含め総合的に決めるのがおすすめです。

キッチンカーのサイズは、キッチンカー(移動販売車)のサイズ選びのポイント4つ！大きさごとのメリット・デメリットも解説で紹介しています。

必要な設備

タコスのキッチンカー（移動販売）を始めるうえで、そろえておくべき設備について、詳しく説明したいと思います。タコスの場合、キッチンカーのなかで行う工程がシンプルなので、設備もそこまで多くそろえる必要はありません。

フライヤー

トルティーヤの種類によっても変わりますが、ハードタイプを予定している場合フライヤーが必要になります。揚げたてを提供できるのもあり、競合との差別化にも繋がりやすくなります。他にも油で揚げる調理に使えるので、タコスのトッピングや揚げたトルティーヤチップスの調理にも使えて便利です。

コンロ・トースター

タコスの具材を炒める、温めるときに使います。形状は、ガスコンロやIHコンロが一般的になり、どちらでも使いやすい方を選びましょう。また、トースターを使う方法もあり、ちょっとした焼き色をつけたいときにも使えます。

冷蔵庫・冷凍庫

具材や調味料の保管に必要。

タコスのなかに入れる具材や調味料の保管のためにも、キッチンカーには冷蔵庫・冷凍庫が必要です。特に夏場のように食材が傷みやすい季節には、クーラーボックスも用意しておくなどの対策を事前に行うようにしておきましょう。

その他

タコスのキッチンカーのなかには他にも、こんな設備をそろえておきましょう。

作業台：タコスの具材を盛り付けるときに使うものです

原電装置：発電機やバッテリーなどの電力を確保するときに使います

タコスは回転率を高めることも調理のポイントになるため、実際に作業をしてみて必要な設備をそろえておくようにしましょう。

タコスのキッチンカー(移動販売)で成功する3つのコツ

タコスのキッチンカー（移動販売）で成功するためにも、覚えておきたい3つのコツがあります。タコスのように人気のメニューならではのポイントもありますし、客単価を上げるコツも押さえておかないと利益率を高めることはできません。タコスのキッチンカー（移動販売）で成功する3つのコツについて、詳しく紹介していきたいと思います。

アレンジメニューを考案する

タコスのキッチンカー（移動販売）で成功するためには、アレンジメニューを積極的に取り入れるのがおすすめです。他のキッチンカーや店舗との差別化にも繋がりますし、オリジナルメニューでブランド力を高めることにも繋がります。

タコスそのものはもちろん、タコライスやタコサラダ、スイーツタコス、スパイシータコス、シーフードタコスなどのアレンジも自由自在です。他にもタコスの種類を選べるようにするのも、ちょっとしたコツです。

揚げたてを提供できるハードタコスは、硬いのでなかに入っている具材がこぼれやすくなります。ソフトタコスは、柔らかい生地なので、片手で食べやすいなどの特徴もあります。

セット販売して客単価を高める

キッチンカーの客単価は1,000円以下ともいわれているように、いかに客単価を上げられるかどうかもポイントです。客単価を高めるためには、タコスと一緒にドリンクやサイドメニュー（トルティーヤチップスやスープなど）をセットにして提供することで、ちょっとしたお得感を出すことにも繋がります。

セットにするときは、1,000円以上の価格帯に設定しておくことで客単価が上がり、売上と利益が伸びるので、セットメニューとしてドリンクを購入してもらえるように準備しておきましょう。

キッチンカーのドリンクは、キッチンカー(移動販売車)におすすめのドリンクメニュー7選！機材や販売時の注意点も解説で紹介しています。

キッチンカーを目立たせる

タコスのキッチンカーを成功させるためには、とにかく多くの人に知ってもらうことが大切です。タコス=メキシコをイメージさせる明るい色のキッチンカーのデザインにしてみる、大きくタコスの写真を載せるだけでもインパクトがあります。

他にも、キッチンカーにタコスのロゴを入れる、タコスのイラストや、メキシコカラー（赤・緑・黄色）を積極的に取り入れるのもおすすめです。

遠くにいるお客様でも、一目見てタコスが売っているキッチンカーとしてアピールしやすくなります。SNSで共有したくなるような映えを意識したデザインにしてみてください。

キッチンカーのタペストリーは、キッチンカー(移動販売車)の集客に役立つタペストリー！選び方・購入方法・作るときのコツまで詳しく解説で紹介しています。

まとめ

タコスは若い世代を中心に人気のメニューだからこそ、キッチンカーでもおすすめです。タコスに乗せるトッピングの種類を増やす、セットメニューを増やしてみるなどさまざまな工夫ができるのもタコスの魅力です。

また、軽食に限らず食事にもなるのでランチ営業やイベント営業など時間帯や場所を選ばずに出店しやすく、回転率を高めることも可能です。ただ、原価管理や競合との差別化などタコスをキッチンカーで出店するからこそ気を付けなくてはいけないポイントも出てきます。

これからタコスの出店を考えている人は、いかに原価率を高めて利益を出せるかどうかはもちろんですが、お客様が「ここで食べたい」と思えるキッチンカーを目指しましょう。