キッチンカーの副業は稼げる？開業の流れ・注意点・成功のコツを解説

最近、土日に副業をしたいという方が増えてきています。気軽に開業できるキッチンカーは、副業にもおすすめです。

しかし、「キッチンカーの副業は稼げるのだろうか」と疑問に思う方も多いでしょう。

本記事では、「キッチンカーの副業がおすすめな理由」「キッチンカーの副業を始めるにあたっての注意点」「キッチンカーの副業を成功させるコツ」などを紹介します。

副業でキッチンカーを始めようと考えている方には必見の内容です。

ぜひ最後までご覧ください。

キッチンカーの副業をおすすめする理由

キッチンカーの副業がおすすめな理由は、主に4つあります。

上記のように、キッチンカーは気軽に始められる副業のひとつです。

それぞれの理由について、詳しく解説していきます。

少ない資金で開業できる

キッチンカーは固定店舗の飲食店と比べて少ない資金で開業できます。

固定店舗の飲食店では内装費や工事費がかかるため多額の開業資金が必要ですが、キッチンカーの初期費用の中で大きな出費は車両費のみです。

固定店舗の開業にはおよそ1,000万円かかると言われていますが、キッチンカーは300～500万円程度で開業できます。

大きな出費である車両費についても、新車購入以外に中古車、レンタル、リースなど入手方法が複数あるため、自分の予算に合わせて選べます。

キッチンカーは固定店舗に比べて開業資金を抑えられるため、気軽に始められるでしょう。

固定費が安いため利益を出しやすい

キッチンカーは固定店舗の飲食店と比べて固定費が安く済むのも特徴です。

キッチンカーの運営にかかる固定費用は、主に以下の3つです。

固定店舗では家賃、人件費、光熱費など、月ごとにさまざまな費用がかかります。しかし、キッチンカーはスペースが限られているため1人で運営でき、人件費を抑えられます。車を止めるための駐車場代はかかりますが、家賃よりはかなり安く済むでしょう。

キッチンカーは固定費が安く抑えられるため、売上を上げた分だけ利益が出るのがメリットです。

出店場所や営業時間を自由に選べる

キッチンカーは、出店場所や営業時間を柔軟に変更できます。

平日と休日では集客しやすい場所が異なるため、曜日によって人が集まりやすいところに出店するなどの工夫ができます。メニューの自由度も高く、出店場所によって商品を工夫できれば売上アップも見込めるでしょう。

平日の昼はオフィス街でランチ営業、週末はイベントで大きな集客を狙うといった戦略を立てることが求められます。

営業場所を自由に移動でき、場所や時間帯に合わせて柔軟な対応ができるのはキッチンカーの大きな特徴です。

失敗したときのリスクが小さい

キッチンカーを副業で始める利点は、失敗した時のリスクを抑えられることです。本業の収入があるため、金銭的にも精神的にもゆとりを持てます。

どれほど綿密な事業計画を立てても、思い通りに経営を軌道に乗せられる保証はありません。しかし、副業から始めた場合は万が一廃業することになっても生活への影響は少なくて済みます。

また、いきなり現在の仕事を辞めてキッチンカーを開業しようとしても、家族からの理解を得られないこともあるでしょう。副業で経験を積めば説得しやすくなるかもしれません。

副業でキッチンカーを始めると、廃業した時のリスクを抑えられるため安心です。

キッチンカーの副業で稼げる金額は？

キッチンカーの副業でどれくらい稼げるかのシミュレーションは必ず行いましょう。事前に売上を予測することで赤字になるリスクを抑え、安定して運営できます。

キッチンカーの利益を予測するには、必要経費、販売個数、販売価格の検討が必要です。

経費には食材費、ガソリン代、水道光熱費、出店料が含まれます。例えば、週末のお昼にクレープを提供するキッチンカーをイベントに出店する場合、経費でおよそ15,000円はかかるでしょう。

販売価格はクレープ1つを500円、ドリンク1つを200円と仮定します。それぞれ50個ずつ販売できたとすると、売上合計は35,000円です。

売上から経費を引いた金額が利益になるため、今回の場合は2万円が手元に残ります。仕込みを入れた稼働時間を10時間ほどと考えると、時給は2,000円程度です。

出店前には必ず経費を計算し、販売個数を予測してどれくらいの利益が出るかをシミュレーションすることが大切です。

キッチンカーの副業を始める手順

副業でキッチンカーを始めるまでには、5つステップがあります。

キッチンカーを開業するまでには、さまざまな準備が必要です。

各段階で気をつけるべきポイントを解説します。

計画を立てる

キッチンカーを開業する際には、開業計画を必ず立てましょう。なんとなく始めると、営業開始後にどのように動けば良いのかわからなくなります。

開業前に検討すべき主なポイントは以下の通りです。

事前に計画を立てておくことで、スムーズかつ安定した営業につながります。副業だからといって、開業計画の立案をおろそかにしないようにしましょう。

食品衛生責任者を取得する

キッチンカーの開業には、食品衛生責任者の資格が必要です。

キッチンカーは飲食店の一業態のため、保健所で営業許可を取得しなければなりませんが、営業許可を取るには食品衛生責任者の資格を求められます。

食品衛生責任者の資格は、各自治体が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。飲食業が未経験でも受講できるため、キッチンカーで初めて飲食業に関わる方でも問題ありません。

最寄りの保健所で講習を受けて、資格を取得しましょう。

キッチンカーを手にいれる

キッチンカーの入手方法は主に3つで、それぞれ特徴があります。

入手方法	特徴
新車を購入する	・自分の理想を反映させられる ・初期費用が高く製作時間がかかる
中古車を購入する	・初期費用を抑えられる ・自分の希望に合った車両が見つかりにくい
レンタル・リースする	・中古車購入よりも初期費用が抑えられる ・調理器具をレンタルできる場合がある

自分の予算とキッチンカーのコンセプトに合わせて、最適なキッチンカーを用意しましょう。

キッチンカーを用意するための詳しい情報は【入手方法別】キッチンカーの価格相場はいくら？必要な費用も含めて紹介をご覧ください。

保健所で営業許可を取る

キッチンカーの車両が用意できたら保健所で営業許可を取得します。飲食店は保健所で営業許可を取らなければならないため、キッチンカーも「飲食店営業」の許可が必要です。

営業許可は出店する地域の保健所に申請するため、事前に出店エリアを決めておく必要があります。

キッチンカーの設備も審査されますが、地域ごとに条件が異なる場合があるため、事前に申請する保健所に確認すると良いでしょう。

営業許可が下りたら、キッチンカーで開業できます。

保健所での営業許可について詳しく知りたい場合は保健所で取得するキッチンカーの許可とは？取得の流れと注意点も解説をご覧ください。

出店する

必要な許可や資格を取得して、メニューなどが決まったらキッチンカーを出店できます。

仕入れや仕込みは出店前日までに済ませておきましょう。当日はバタバタしやすいため、特に営業を始めて間もないうちは前日までに余裕を持って準備を進めるのがおすすめです。

キッチンカーを出店する際は、事前に出店場所のオーナーやイベント主催者に許可を取らなければならないため注意が必要です。

事前準備はできるだけ早めに済ませて、余裕を持って出店できるよう心がけましょう。

キッチンカーで副業するときの注意点

キッチンカーで副業を始める際の注意点は主に4つです。

上記の注意点を把握しておくことで、キッチンカーの運営を軌道に乗せやすくなるでしょう。

それぞれのポイントを解説します。

会社の就業規則で副業が可能かを確認する

副業でキッチンカーを始める前に、会社の就業規則を確認しましょう。近年は副業OKの会社が増えていますが、副業が許可制であったり禁止されていたりする場合もあります。

副業が許可制の場合は必ず申請して副業の許可をもらい、キッチンカーを開業しましょう。副業禁止の場合、勤務先に隠れてキッチンカーの副業を始めることはおすすめできません。勤務先に見つかった場合、本業に悪影響を及ぼす可能性があります。

副業を考え始めたら、まずは現在務めている会社の就業規則で副業が可能かどうかを確認してください。

無駄な食材を出さないようにコントロールする

キッチンカーの運営では、無駄な食材を出さないように管理する必要があります。

特に副業でキッチンカーを始める場合はキッチンカーの出店が週に1～2日になることが多く、食材の管理が難しいです。

食材の無駄を減らすためには、以下のような取り組みが求められます。

食材ロスは利益の減少につながるため、できるだけ食材の無駄を減らす努力をしましょう。

天候の影響を受けやすい

キッチンカーは屋外で営業するため、売上が天候の影響を受けやすい点がデメリットです。雨風がひどいと客足が遠のきやすいうえ、出店予定のイベントが中止になることもあります。

特に梅雨や台風が多い季節は、週末の天気予報を必ず確認して食材を仕入れすぎることのないようにしましょう。

また、気温も売り上げを左右する要素のひとつです。急に気温が変化した日はお客様が外に出ようとしなかったり食欲が落ちて購買意欲が低下したりと、売り上げにつながりにくいでしょう。

天気や気温に注意して、出店の可否やメニューの変更などを検討する必要があります。

可能であれば現場を体験してみる

キッチンカーを開業する前に、可能であればキッチンカーの現場を体験するとよいでしょう。

開業前に仕入れ、仕込み、料理提供などの一連の流れを経験しておくことで、実際に開業する際のシミュレーションがより具体的になります。

実際に出店しているキッチンカーでアルバイトするのもよいでしょう。すぐにキッチンカーを開業する資金がない場合でも、アルバイトをすることで経験を積めます。

現場を経験することでキッチンカーを始めたい気持ちを高められ、開業までの事業計画も具体的で精度が高いものを作れます。

キッチンカーの副業で成功するコツ

キッチンカーの副業を成功させるコツは主に4つです。

コツを押さえて運営することで、キッチンカーの経営を軌道に乗せやすくなります。

それぞれのポイントを詳しく解説します。

利益が出るメニューを選ぶ

キッチンカーのメニューは、利益が出るものを選びましょう。自分が提供したいメニューもあると思いますが、売れなければ経営が立ち行かなくなります。

利益を出す手段は2つあります。

売上を上げるには、キッチンカーの「テイクアウト形式でその場ですぐ食べる」「イベント会場で出店することが多い」という特徴を考慮してメニューを考案するとよいでしょう。

経費を削減するには、原価を抑えるのが大切です。原価が低く、利益率を上げやすいメニューを考えましょう。

キッチンカーの運営を安定させるには、利益の出やすいメニューを考案するのが重要です。

お客さまの目を引くのぼりや看板を使う

キッチンカーを出店する際は、お客様の目を引くのぼりや看板を使いましょう。お客様の目に止まり、カウンターの前に立ってもらえたら高確率で商品を購入してもらえます。

以前、弊社が関わった沖縄県名護市のイベントに出店された「TOPRANK」様（動画1分20秒あたりから）の看板は、商品の写真を大きく写し、看板の背景を黒くして写真を鮮やかに見せて目を引く工夫をしています。

たくさんのお客様の興味を引き、新規顧客を獲得することは安定したキッチンカーの経営には必須です。のぼりや看板の効果的な活用は売り上げに大きく影響するため、妥協しないようにしましょう。

キッチンカー仲間とコミュニケーションを取る

キッチンカー仲間とのコミュニケーションは、売上を上げるのに重要な役割を果たします。

イベントに出店すると、キッチンカーの経営者と知り合う機会が増えます。積極的に話をして仲良くすることで、さまざまな情報を得られるでしょう。

イベントのお誘いや出店先についての情報、最近のトレンドなどを教えてくれる方もいます。同じ経営者という立場からの助言は、ためになるものが多いです。

ただし、教えてくれたイベントを自分で独占するようなことはマナー違反です。ルールとマナーを守って、仲間同士で協力して運営しましょう。

人が多く集まる場所に出店する

キッチンカーは、人が多く集まる場所に出店しましょう。キッチンカーの魅力はどこにでも出店できることですが、人が少ないところに出店してもお客様は集まりません。

キッチンカーの営業を始めてまもないうちは知名度が低いため、自分のキッチンカー目当てで足を運ぶお客様はほとんどいないでしょう。

しかし、イベントなど多くの人が集まる場所に出店すれば、おのずと立ち寄ってくれるお客様も増えます。

人が多く集まる場所に出店することで効率よく集客でき、売上増につながります。出店場所は慎重に検討しましょう。

まとめ

本記事では、キッチンカーで副業を始める際に気になるポイントを5つ紹介しました。

キッチンカーを副業で始めると、失敗した時のリスクを抑えながら本業で出店するまでの課題解決ができます。もし本業でキッチンカーを経営しない場合でも、気軽に休日オーナーとしてキッチンカーを楽しむのもよいでしょう。

本記事を参考に、副業でキッチンカーのオーナーを目指してみてください。