キッチンカーを始めたいと思ったことはありませんか?手軽に移動でき、初期費用や運用費用も抑えられるというメリットから、キッチンカーはますます人気が高まっています。しかし、始めるには何をすれば良いのか、どんな準備が必要なのか不安に思うこともあるでしょう。この記事では、キッチンカーを始めるための具体的なステップや車の調達方法を解説します。ぜひ最後まで読んで、夢のキッチンカー開業に一歩近づきましょう。
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
監修者 池田 拓矢
キッチンカーの窓口代表。1990年生まれ。2015年4月にキッチンカーで全国営業を開始し、月250万の売上を上げるまでに飛躍。キッチンカー業者として働いた経験と、苦戦から脱却できたノウハウを活かし、業界に足りていない仕組みを補い業者に寄り添った仲介会社になるべく、2018年9月にキッチンカーの窓口を始動。詳しいプロフィールはこちら
キッチンカーを始めるには?人気の理由は?
キッチンカーは移動しながらテイクアウト販売を行うことで、感染リスクを軽減しつつ美味しい料理を提供できる店として注目を集めています。自治体によっては、業態転換に対する助成金を設けているところもあり、新規参入しやすいのが特徴です。
キッチンカーの人気が高まっている理由は、新型コロナウイルスの影響で三密を避けるためのテイクアウトの需要が増加したことにあります。移動しながら営業できるため、感染リスクを低減しながら美味しい料理を提供できる点が注目されています。また、車内で調理ができるため、できたての料理を提供できるのも魅力です。
従来はオフィス街や商業施設に出店することが多かったキッチンカーですが、最近では住宅街やマンションへの出店も増加しています。さらに、自治体によっては、飲食店の少ないエリアへの誘致や業態転換に対する助成金を設けているところもあり、新規参入がしやすくなっているのもポイントです。
キッチンカーを始めるメリット
キッチンカーを始めるメリットは6つあります。
- 店舗とは異なり家賃がかからない
- 出店場所を選べる
- お客様との距離が近い
- キッチンカーがあればいつでも出店できる
- 開業費用・運用費用を抑えられる
- 短時間での営業もできる
それぞれについて詳しく見てみましょう。
店舗とは異なり家賃がかからない
固定店舗での飲食店とは異なり、キッチンカーでは物件を借りる際の初期費用や毎月の家賃といった固定費がかかりません。キッチンカーは車両を使って営業するため、物件確保に関する費用が不要です。
しかし、キッチンカーの運営には、ガソリン代や出店費用、車両の維持費(駐車場代や保険料など)といった費用が必要です。キッチンカーを始める際には、これらの車両関連の費用を考慮しましょう。
出店場所を選べる
日本マクドナルドを創業した藤田田さんが「飲食業は何よりも立地が大切」と言ったのは有名ですが、キッチンカーでも同じように、人が集まる場所に出店することが重要です。
ただし、キッチンカーの場合、出店場所の選び方に失敗しても、別の場所に移動して再度挑戦できます。固定店舗の飲食店では簡単に立地を変えることはできませんが、キッチンカーは柔軟に出店場所を変えられる点が大きなメリットです。
さらに、営業許可さえ取得すれば、全国どこでも出店が可能になります。これにより、季節やイベントに応じて最適な場所を選び、お客様が集まる場所で営業することができます。柔軟な出店場所選びは、キッチンカーの最大の強みと言えるでしょう。
お客様との距離が近い
キッチンカーを運営する際には、お店作りからメニュー作り、集客、接客まで、すべて自分で行います。実際にキッチンカーを運営している人たちからは、「お客様との会話が楽しい」という声が多く聞かれます。目の前で調理をしているため、お客様も気軽に話しかけやすく、会話が弾むのです。
お客様の喜びの声を直接聞けるのは大きな喜びです。目の前で喜んでくれる人がいると、自然と高品質な料理を提供しようとする意識が生まれます。こうしたお客様との近い距離感が、商品の品質を高める好循環を生み出すのが、キッチンカーの魅力の一つです。
キッチンカーがあればいつでも出店できる
キッチンカーがあれば、いつでも出店することが可能です。キッチンカーで開業した後に固定店舗の飲食店をオープンする場合でも、キッチンカーを活用できるのは大きなメリットです。
固定経費を抑えることができるため、例えば飲食店を経営しながら週末にイベントでキッチンカーを出店することもできます。飲食店以外の業態に変更した場合でも、キッチンカーを利用することで辞める必要はありません。
さらに、家族の事情で引っ越しをすることになっても、キッチンカーなら引っ越し先ですぐに仕事を再開できます。また、何かしらの事情で仕事を続けることが難しくなった場合でも、キッチンカーは車として使用し続けることや売却することが可能です。
開業費用・運用費用を抑えられる
キッチンカーは、開業費用や運用費用を抑えられる点が魅力です。一般的な飲食店の開業には、物件の調達や内装工事、調理設備や家具の準備に約900万円ほどの資金が必要です。
一方、キッチンカーの場合は、物件の調達や内装工事が不要です。車を購入し、デコレーションや調理器具の設置を行う必要はありますが、飲食店よりも費用を抑えることができ、250~350万円程度で開業することが可能です。
さらに、キッチンカーは賃料がかからないため、ランニングコストも抑えられます。加えて、一人で営業すれば人件費も不要になります。これらの要素から、キッチンカーは経済的に優れた選択肢となります。
短時間での営業もできる
キッチンカーの魅力の一つに、短時間での営業が可能な点があります。朝の通勤時間帯やランチタイムなどの空いた時間を利用して、売上が見込めるエリアへ移動し、短時間で開業することができます。毎日の営業が難しい場合でも、イベント出店や不定期営業といった形態での運営も可能なため、本業を持っていても時間を調整しながら営業することが可能です。
キッチンカーでは火を使った調理が難しく、提供できるメニューが限られる点や、店内でゆっくりと寛ぐようなコンセプトが難しいといったデメリットもありますが、費用を抑えて空いた時間にカフェオーナーとして営業できるのは大きな魅力です。
キッチンカーを始めるのに必要な準備
キッチンカーを開業するためには、計画的な準備が重要です。以下は、キッチンカーを始めるために必要な準備項目です。
- 事業計画を立てる
- 営業許可を取得する
- 仕込み場所を取得する
- 出店場所を確保する
- キッチンカーを準備する
- 宣伝をする
これらを順に詳しく見ていきましょう。
事業計画を立てる
まずは事業計画を立てましょう。提供する料理やメニュー、想定される価格帯、ターゲットとする客層、店の雰囲気、出店する場所など、ビジネスのコンセプトを明確にします。これにより、予算の見通しも立てやすくなります。
キッチンカーの開業に必要な費用項目としては以下のようなものがあります。
- キッチンカーの車両
- 車両に搭載するキッチンやコンロ、冷蔵庫などの設備
- 食材費
- パッケージや紙袋、フォーク、箸などの消耗品
- ガソリン代
- 駐車料金
- メニュー表やテーブルなどの備品代
トータル費用の目安は、200〜500万円程度です。
営業許可を取得する
キッチンカーで飲食を提供するためには、管轄の保健所から営業許可を取得する必要があります。移動販売を行う際は、あらかじめ出店するエリアを絞り、そのエリアを管轄する保健所で営業許可の申請を行うと良いでしょう。例えば、「自宅周辺」や「最寄りの都心付近」、「希望するイベント開催場所」などで許可を取得する方法があります。
営業許可を申請するには、食品衛生責任者の資格が必要です。この資格を持っていない場合は、最寄りの食品衛生協会で開催される講習を受講し、資格を取得することができます。
また、キッチンカーでは食材の下処理ができないため、仕込みが必要なメニューを提供する場合は、別途仕込み場所の確保が必要です。さらに、給水タンクの大きさによって提供できるメニュー数や使用できる食器が異なるため、詳細な規定については事前に保健所に問い合わせることをおすすめします。
営業許可について詳しく知りたい場合は「営業許可」の記事をご覧ください。
仕込み場所を取得する
キッチンカー内で行える作業は、主に簡単な加熱調理や盛り付け、小分けなどの仕上げ作業に限られます。「切る」や「混ぜる」といった食材の仕込みは、食中毒のリスクを避けるため、車内や自宅のキッチンでの作業が禁止されている地域もあります。
そのため、キッチンカー内での仕込みができない場合は、別途「飲食店営業許可」を受けた仕込み場所を確保しなければなりません。
地域によっては、営業許可証を取得した車内での仕込み作業を認めている場合もあります。仕込み場所の基準は自治体によって異なるため、営業許可を取得する際に、事前に確認しておくと良いでしょう。
出店場所を確保する
キッチンカーの売上に大きく影響するのが出店場所です。路肩に停めて営業することはできないため、事前に適切な営業場所を確保しておく必要があります。
具体的な出店場所としては、イベント会場やランチタイムのビジネス街、スーパーや商業施設の駐車場などが考えられます。これらの場所は、集客が見込めるため、売上の増加に繋がるでしょう。
キッチンカーを準備する
キッチンカーの準備には、車両の大きさや車種によって費用が異なります。新車の場合、キッチンカーの費用は約200〜500万円程度が目安です。中古車を購入する場合も、車両の大きさや車種、営業年数、走行距離などが価格に影響します。
また、キッチンカーを運営するには自動車保険への加入が必須です。自宅、仕込み場所、出店場所の間を移動する際にはキッチンカーを使用するため、万が一の事故に備えてしっかりと保険に加入しておくことが重要です。
宣伝をする
キッチンカーを開業する際には、集客に向けた宣伝活動が重要です。フリーペーパーやチラシ配布などの広告手法も一定の効果が期待できますが、コストがかかるため、SNSやWebサイト、ブログなどのオンラインメディアを活用するのがコストを抑えつつ効果的です。
SNSにはLINE、Facebook、Instagramなどさまざまなプラットフォームがあり、それぞれ異なる年代やユーザー層が存在します。ターゲットとなる顧客層に合わせて情報発信を行うことが重要です。
計画的にこれらの準備を進めることで、キッチンカー開業の成功が近づきます。また、フランチャイズに加盟することで、これらの準備を本部のサポートを受けながら進めることができるため、独自にゼロから準備を始めるよりもスムーズに、リスクを抑えた開業が可能です。
キッチンカーを始めるのに必要な資格
キッチンカーを始めるのに必要な資格は以下の3つです。
- 食品衛生責任者
- 飲食店営業許可証
- 運転免許
これらの資格をしっかりと準備することで、安心してキッチンカーの営業を開始することができます。
食品衛生責任者
キッチンカーで夢の開業を実現するためには、食品衛生責任者という資格の取得が必須です。これは、安全な食品提供を担うために必要な重要資格であり、1人以上の配置が義務付けられています。
食品衛生責任者とは、食品の取り扱いに関する専門知識を持ち、衛生管理を徹底する責任者です。
この資格を取得するには、各都道府県の食品衛生協会が開催する食品衛生責任者養成講習会の受講が必要です。講習内容は、食品衛生法に基づく衛生管理、食品中毒対策、営業許可申請など、多岐にわたります。
栄養士、調理師、製菓衛生師などの関連資格を持っている場合は、講習会の受講が免除されます。
飲食店営業許可証
キッチンカーを開業するには、保健所から「飲食店営業許可証」を取得する必要があります。この許可証は、キッチンカーの設備や施設が食品衛生法に適合していることを証明するもので、飲食業を合法的に営むために必須です。許可証の有効期限は5年間で、その後は定期的に更新する必要があります。
開業を予定している地域の保健所に申請を行い、許可証を取得しましょう。なお、2022年4月に全国統一の基準に改正されましたが、保健所によって細かな指摘内容に違いがある場合があります。車両の準備を始める前に、必ず保健所に問い合わせて最新の基準を確認しましょう。
運転免許
キッチンカーを運転するには、適切な運転免許が必要です。多くのキッチンカーは普通免許で運転できますが、大型トラックや牽引タイプのトレーラーなど、車両のサイズやタイプによっては普通免許以外の免許が求められることもあります。
車両の総重量や最大積載量に応じて、必要な運転免許の種類を確認しておくことが重要です。
キッチンカーを始めるのに欠かせない車の調達方法
キッチンカーを開業するためには、適切な車両を調達する必要があります。
新車をオーダーメイドで制作する
キッチンカーは販売台数が非常に少ないため、ほとんどのケースでオーダーメイドになります。オーナーのニーズに応じて車のサイズや設備が異なるため、一から制作することが一般的です。
車両のサイズは小型の軽トラックから、宅配便でよく見かける1.5トンのトラックまでさまざまです。価格帯は、軽トラックが約250〜350万円、1トン以上のトラックで約350〜600万円が相場とされています。
初めてキッチンカーを制作する場合、車両のイメージや相場感をつかむのは難しいかもしれません。そのため、勉強会やセミナーに参加して実物を見たり、現役オーナーからのアドバイスを聞くのが有効です。これにより、より具体的なイメージを持つことができるでしょう。
中古を購入する
中古のキッチンカーを購入する場合、既に完成された状態で提供されるため、すぐに利用を開始できます。新車のオーダーメイドに比べて費用を大幅に節約できるため、コストを抑えたい方に最適です。中古のキッチンカーは中古車販売サイトやネットオークション、掲示板などで探すことができますが、どれも一点ものです。
中古車は販売状況が変わりやすいため、気になるものがあれば早めに決断する必要があります。ただし、購入前には必要な設備が整っているか、車両や設備に重大な劣化がないかを十分に確認しましょう。中古キッチンカーの価格は、おおよそ50万円〜300万円程度です。
レンタル・リースを利用する
キッチンカーを購入するのが不安な場合、まずはレンタルを検討するのが賢明です。レンタルなら車両を購入せずに始められるため、事業のリスクを最小限に抑えることができます。万が一事業の継続が難しくなっても、車両を返却すれば追加の費用は発生しません。
ただし、キッチンカーで調理を行い販売するには、出店する地域の保健所から飲食店営業許可を取得している必要があります。レンタル時には、営業許可が確認されているかどうかを確認することが重要です。
レンタル費用は、期間によって異なります。短期間のレンタルは1日あたり2〜10万円程度、長期間のレンタルは月額30万円前後が相場です。レンタル期間が長いほど、1日あたりの費用が安くなる傾向があります。
キッチンカーを始めるための資金調達
キッチンカー開業には、車の購入以外にも様々な費用が必要となります。そこで重要となるのが、資金調達方法です。ここでは、代表的な4つの方法について解説します。
自己資金を貯める
自己資金を活用することで、キッチンカーの開業に伴う資金調達の負担を大幅に軽減できます。キッチンカーは比較的低コストで始められるため、自己資金だけで開業することも可能です。
融資を利用しないことで、毎月の返済に追われる心配がなく、手続きも簡単です。さらに、資金が必要な時にすぐに使えるというメリットもあります。
融資を利用する
自己資金だけでは開業資金を賄いきれない場合には、銀行や信用金庫、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けるのが一般的です。これにより、自己資金が少なくてもキッチンカーの開業が可能になりますが、いくつかのデメリットもあります。
融資を受けるには手続きや審査が必要で、審査に通らなければ資金を借りることができません。また、毎月の返済が求められるため、計画が不十分だと資金繰りが厳しくなる可能性もあります。
さらに融資を受ける際には、事業計画書の提出が求められます。計画が不十分だと、融資が受けられない事態に陥るでしょう。返済額が毎月の売上を上回ることもあるため、しっかりとした事業計画と資金計画を立てることが重要です。
ローンを組む
ローンを利用することで、審査が融資に比べて比較的容易な場合が多く、場所によっては即日で借り入れが可能なケースもあります。ただし、毎月の支払い義務が発生し、利息が高めに設定されていることがあるため注意が必要です。利息が最大で15%にもなることがあるため、契約前に十分に検討することが重要です。
ローンの仕組みは、車を購入する際のカーローンと似ています。キッチンカーの製作や購入を考えている場合は、ローン会社との提携状況も確認しておくと良いでしょう。
助成金・補助金を利用する
地域によっては、経済活性化や多様な働き方の支援の一環として、事業者に対して助成金や補助金を提供している場合があります。これらの制度を利用することで、開業資金の一部を賄うことが可能です。
しかし、助成金や補助金制度が存在しない地域もあるため、まずは自分の住んでいる地域の制度を確認することが必要です。また、これらの支援を受けるためには、所定の要件を満たし、複雑な手続きが求められることがあります。
まとめ
キッチンカーの開業には、事業計画の策定から始まり、法的手続きや車両の調達、資金調達まで多くのステップが必要です。各準備項目を計画的に進めることで、きっと夢を実現することができます。
この記事が、あなたのキッチンカー開業への第一歩となることを願っています。
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